いつからだろう。
こんなに愛おしくなったのは。

最初はただの先輩後輩の関係だった。入ってきた時もただ、不良っぽいやつが入ってきたな、と思っただけ。ほんとにそれだけ。けれどダブルスのパートナーになり必然的に一緒にいることが多くなる。それこそ最初は毒舌ばっかで可愛くない後輩やな、絶対合わんとか思っていたが、知らず知らずのうちに後輩、財前光のさりげない優しさに惹かれていったのだ。
普段は今も健在な毒舌を吐いているが俺が少しだけでも体調が悪いとすぐに気付いて休め、とほぼ命令してくる。命令してくるあたり光らしい。テニスだって俺のミスをカバーしてくれる。一緒に帰る時もさりげなく車道側。何より二人でいるとき壊れ物を扱うかのように大切に抱きしめてくれることが嬉しい。大切にされているとダイレクトに伝わってきて心がポカポカと暖ま
る。そしてきゅぅぅううん、と疼き愛
しいと思うのだ。
光…カッコええよなぁ…


「謙也さん、」


ボーっと思いに耽っていると、さっき
まで椅子に座りながら雑誌を読んでい
た光が目の前にいた。


「うぉっ!びっくりするやんけ!」

「謙也さん、俺と居るんに他のこと考えんといてくださいよ。」

「光だって雑誌読んでたやん。」

「俺はええんです。」

「横暴やろ。しかも俺が考えとったんは光のことやし。」


少しは仕返しになったやろか。
そう思いながら顔を上げるとそこには得意げに笑っている、というか左の口端を不適に吊り上げている光の顔。


「当たり前ッスわ。」


ふっ、と顔に影がかかる。なんだと思うが唇に残る柔らかい感触にキスをされた、と気付かされる。


「…なっ、」

「謙也さんの頭ん中も身体も心もうめつくすんわ俺や。」


そう言って不適に微笑む光に見惚れる俺は、きっと一生光から離れられないのだ。



end
2011.01.05

意味不明に…(´;ω;`)


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