今日はバレンタイン。
私はいつもの保健室で、いつもの三人にチョコをあげた。
私「はい、これみんなにあげます!」
星月「なんだこれは」
私「なんだって…星月先生、今日が何の日か分からないんですか?」
星月「…さぁ、知らないな」
あくびをしながら面倒くさそうに答える星月先生。
本当に興味ないんだなぁ。
私「陽日先生は、わかりますよね?」
陽日「もちろん分かるぞ!今日はバレンタインだもんな!これ、貰っていいのか?」
私「はい!みんなにあげます。1つずつですからね」
陽日「うわぁー!ありがとな!いただきまーす!」
陽日先生はその場でチョコの包みを開けて食べている。
私「ふふっ、陽日先生ってば」
陽日「もぐもぐ…すっごくうまいぞ!」
私「陽日先生、ここ、学校ですよ?しかも保健室でお菓子なんて食べていいんですか?」
陽日「…っ、そうだったー!」
水嶋「全く、陽日先生は相変わらずですね」
そんな陽日先生を、水嶋先生は馬鹿にしたように笑う。
陽日「み、水嶋には言われたくないぞ!」
私「水嶋先生も、1つ貰って下さいね」水嶋先生は、机に置かれたチョコを一瞥する。
水嶋「ふーん…、これ、もしかして義理チョコ?」
私「え?そ、それは…」
水嶋「ふふ…君、僕がこんなもので喜ぶと思ってるの?」
私「…っ」
手首を捕まれて、引き寄せられる。
目の前には、水嶋先生の綺麗な瞳。
水嶋「僕は本命が欲しいんだけど…?」
私「っ…」
唇をそっと水嶋先生の指がなぞる。
水嶋「チョコの代わりに、君のキス、くれる?」
私「…っ」
陽日「水嶋ぁっ!お前!俺の大切な生徒に何やってんだ!」
星月「郁…、お前は本当に…」
陽日「だいたいお前なんでいるんだよ!?今日は日曜日だぞ!」
星月「その前に…郁、お前はもうここの実習生じゃないんだぞ。しかも、今日は日曜日だ」
水嶋「はぁーあ…、みんな冷たいなぁ。だって暇なんだよねぇ」
星月「お前なら遊んでくれる女の子がいっぱいいるだろう?本命チョコだって貰えるんじゃないのか?」
水嶋「もうそういうの飽きたんだよね。…僕が欲しいのは、君だけだよ」
私「えっ、な、何言ってるんですか…?」
水嶋「照れちゃって、本当に君は可愛いよね。それとも、本当に分かってないのかな?」
陽日「み、水嶋ー!お、俺の生徒を口説くなと、ななな何度言ったら分かるんだ!」
私「…わ、私、お茶入れて来ますね!」


お茶を飲んで、一息つく。
なんか今日、水嶋先生も陽日先生もおかしいよね…?
どうしちゃったんだろう。
星月「ふぅ…、まずいな。だが、お前の淹れたまずいお茶は落ち着くな」
いつもの軽口を叩きながら、星月先生までチョコを食べてる。
星月「この苦くてまずいお茶と甘いチョコが意外と合うな」
私「もうっ、星月先生ってば」
星月「ところでお前、みんなに義理チョコ配ったりして、…好きな人はいないのか?」
私「…え?」
思ってもみない事を聞かれて、戸惑う。
陽日「そそそそれを聞くのかよっ…」
慌てたみたいに顔を真っ赤にしてる陽日先生。
水嶋「ふふ、君は僕が好きなんだよね?」
当たり前みたいな顔で微笑んでくる水嶋先生。
私「え?…え?」
星月「全く、こいつらは危ないからな。…だが安心しろ、お前の事は俺が守ってやるから」
ぽんぽんと星月に頭に撫でられて、私は困惑するばかりだった。


えんど
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