エイプリルフール






「かーいどおー!」

「なんすか菊丸先輩」

「実は俺、新学期から海堂と同じクラスになったんだ!」

「…え、留年っスか?」

「にゃひゃひゃー。ちょっとテニスばっかりやりすぎちゃったみたいだにゃー」

「(こういう時ってなんて言えばいいんだ…?)…仲良く、しましょう、先輩」

「うんっ!よろしく海堂ー!」



「ぶふっ!なんだあの困り顔の海堂っ」

「恐らく心のうちであわてふためているな」

「不二の言う通り海堂はまんまと引っ掛かったね」

「俺は今日が1番薬の消費が多いよ…」

「大石は嘘つけなさそーだもんなあ」

「俺去年大石先輩に部活辞めますって言ったんスよエイプリルフールに。そしたら肩掴まれて1時間近く説得されました」

「さっすが大石。もうちょっと人を疑うってことを知るべきだね」

「たっだいまー!」

「英二!お疲れさーん」

「まんまと騙されちゃったよん海堂!」

「ちゃんとネタバレしてきたかい?」

「もっちろん!だからほら、向こうでひたすらサーブ打ってるにゃ」

「…邪険を追いやるようにしか見えないな」

「そういや越前はどこだ?」

「ああ、越前なら多分、」

「っス。不二先輩の言う通りやってきたっスよ」

「え、まぢであれやったの」

「だって不二先輩、やったら一週間ポンタ奢ってくれるって言うし。」

「あれってなんのことだ?」

「手塚にもエイプリルフールを仕掛けたんだよん!」

「竜崎先生が実は10個も歳をごまかしてたって嘘を越前についてもらったんだ。」

「なんかリアルっスね…」

「ふむ、手塚が信頼のある人物に騙されていたとショックを受ける確率84.5%」

「あとの15.5%は何」

「納得してしまう可能性だ」

「んで、どうだったの?」

「驚いて固まってましたよ。んで一人でぶつぶつ言いはじめて、職員室行きました。」

「はっ?職員室?」

「それってなんだかヤバい予感…」











嘘つきの日
「全員グランド100周行ってこい!」

「手塚部長、職員室に乗り込んで竜崎先生に聞いたらしいっスよ。
そしたら本気で怒られたって。」


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