「なあジャッカル、女子って何もらったら嬉しいんだあ?」
「それ俺に聞くことか?そういうのは普通彼女が居る奴に聞くもんだろ」
「…幸村くんに言ったらぜってぇーからかわれるだろぃ!」
クリスマス一週間前の日曜日。 俺は未だ高田へのプレゼントを買えていない。 今まで散々女子からプレゼントをもらうことはあったけど、あげたことは無かったから、一体何をあげたらわからなくて。 困ったときはジャッカルを召喚だ!ってことだったんだけど、ジャッカルは役にたたなかった。
「そいつの友達とかに聞いてみたらいいんじゃねぇか?親しい奴とかなら好みも知ってんだろ」
「親しい奴…」
普段の学校生活を思い返してみると、高田の横にいつも居る桜井の名前が浮かんだ。 …こいつはダメだ。 もし相談したとしたら協力はしてくれるだろうけど、きっと次の日には仁王に伝わる。 下手したら野球部にだって広まりかねない。 (邪魔されたくねぇからな…)
必死に高田の交友関係に頭を捻っていたら、最適な人物わ思い出した。 高田の幼なじみで俺の友人である芥川だ。
「てかよ、ブン太女子に何かあげんのか?」
「…あれだよあれ、成り行きで!ってやつ」
「なんだよそれ!まあ今まで貰ってばっかだったからたまにはいいかもな。頑張って選べよ!」
…前言撤回します。 俺の相方は最高にイイ奴でした。 (あとでガムでもやるか!)
*
家に帰ってからすぐ芥川に電話してみると、なんと驚くことに2コール目で電話に出た。 まあ俺としちゃラッキーなんだけど、10回はかけ直すの覚悟してたからかなり驚いた。 (絶対寝てると思ったんだよぃ)
「丸井くんじゃん!どうかしたのー?」
「おう!実は芥川に相談があるんだけどよ、」
高田とプレゼント交換をすることになったこと。 そして自分は未だ高田へのプレゼントを買えていないことを話した。
「丸井くん、マフラーなんかどう?」
「マフラー?でも高田はマフラー持ってるぜ?」
「こないだクラスの女子が言ってたんだけど、マフラーをプレゼントされるのは嬉Cーらしいよ!」
それから芥川は10分ぐらいその女子の会話を実況つきで再現してくれた。 その間に高田が今持っているマフラーの色を思い出す。 そういえば去年の冬、「赤色のマフラーが欲しい」って言ってた気がすんな…
「サンキュー芥川!」
「え、もう決まったの?」
「おう。今から行ってくるわ!」
ブチッと通話を切って必要なものだけを持って制服のまま近所の百貨店に走った。 俺達の制服は深緑のブレザーだから、赤や紺や緑のチェック柄が1番似合うだろう。
「これ、プレゼント包装で!」
プレゼントが決まって舞い上がってつい声がでかくなっちまった。 店員クスクス笑ってるし!!
「リボンはピンクでよろしいですか?」
イチゴジャムの作り方
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