平凡 | ナノ

遊びも学生の本業です




今日は最近出番の少なかった怜奈と二人で5階の空き教室にて昼食なう。
久しぶりー寂しかったー!って言ったらあたしはそうでもないよと言われたので黙った。
恋する乙女は友人を捨てるのか。
ごめん大石。今君がめちゃくちゃ憎いよ。



「なにかあった?」

「あたしはないけど」

「けど?」

「無愛想な生徒会長が居なくなって元気なくなってるかなーっていう心配、かな」

「なんだ、そういうこと!」



この通り元気だから安心してーと笑いながらガッツポーズしてみせる。
手塚が不在になったと言っても生徒会の仕事はもうほとんど終わっていたので何一つ支障はなかった。
部活は大石がめちゃくちゃ張り切ってます。
それに刺激を受けてか、ここんとこのテニス部のやる気と言ったら物凄い。
ドリンクの消費が先月の2.3倍だ。(乾曰く)



「野球部はどうなの?最近琉見かけないよ」

「来週から県大会始まるからねー。みんなテニス部に影響されててさ、ボールの消費ハンパないの!縫っても縫っても糸がほつれて…」

「あのやる気は部内で収まらなかったんだ…。ま、今年は全国制覇が目標なんで!」



ドヤ顔したらそっちはガンスルーで大石くん見に行こうかな!と乙女になった怜奈。
まあヘタに不二とかを好きにならなくてよかったのかな。
笑顔で毒吐く奴に私の友人はあげらんないよ。










*









「ねーねーゆきー」

「なーにえーじ?」

「今日桃たちとゲーセン行く約束してるんだよん!ゆきも一緒に行こ?」

「ゲーセンかぁ。うん、行く!!」



男子ってゲーセン行って何すんだろーとか思いながら机に広がった教科書やらプリントをスクバに仕舞った。
女子はゲーセンって言ったらプリクラだよね。
あ、みんなとプリクラ撮りたいかも!



「菊丸先輩!早く代わってくださいよ!!」

「ぎゃーおチビが話しかけてきたから終わっちゃったじゃーん!!」

「ダメっスよ英二先輩。それ越前のワナなんスから!」

「まだまだだね!」

「うわーんゆきー!!」



とりあえず飛びついてきた英二の頭を撫でとく。
三人はゲーセンに来てからずっとレーシングゲームを交代でやっていて、最初は画面の中のcomが敵だったのに気づけば近くに居る人が敵となっていた。



「そろそろ違うとこ行かない?」

「えー!俺まだあと1回やってないっスよ!」

「もういいでしょー桃だって4回ぐらいやってんだから!」

「じゃあゆき先輩はどこ行きたいわけ?」

「あれ!みんなで撮ろう!」



うだうだ言ってる英二を引っ張りながら端にあるプリ機の元へ移動。
四人だから一人100円だねピッタリ!
終始ニコニコしながら背景とかを選んでたら慣れてますねなんて笑われた。
あたしだって一応女です。



「みんな笑ってね!あ、画面じゃなくてカメラ見ないと目線ズレるよ!」

「これ見ればいいんスか?」

「こらおチビー!消えようとしなーい!」

「ちょっ痛いっスよ先輩!!」










後ろから抱きつきを叫ぶ
「これゆき先輩どこ向いてんの?」
「あはは!英二先輩が名前呼んだときのじゃねぇか?」
「英二のすいでアホ面じゃん!!」
「まあこれもひとつの思い出ってことで〜!」



2012 02/03