平凡 | ナノ
ランキング戦スタート
やってきました部活の時間。 不二と英二と別れて部室の横にある小さなマネ室で着替えて出てきたら、
「え、ランニング?」
「椎名!これは罰走だよ。手塚の指示でね。」
「あ、いつものですか。」
コートの外へぞろぞろと部員が出て行った。 大石の話しによると、二年の荒井と例のルーキー越前くんがやらかしたらしい。 そしてそれを傍観してたみんなにも罰が下ったとか。 (大方、不二のせいでしょ)
「んじゃドリンク出さないとだねー」
「手伝おうか?」
「へーき。大石は先にコートに入っておいでよ。そのうち手塚が来るから。」
「でも手塚はまだ…あ!」
「あたしの手塚レーダーすごいでしょ?」
向かいから見える学ランがだんだん大きくなってきた。 軽く手を振ったが振り返してはこない。 まあ、ここで手塚がぶんぶんと手振ってきたらビビるよね。
*
「今日からランキング戦だ。」
「「そーですね!」」
「椎名には今回も受付をやってもらう。」
「「そーですね!」」
「…一年のドリンクも用意してくれるか?」
「「いいともー!!」」
「クスッ。手塚が二人のおふざけにノるなんて珍しいね」
「会話の流れでそうなっただけだ。」
三人で部室へと向かってく途中、手塚に会った。 あたしと英二は教室でのノリのまま返事をしたんだけど、珍しく手塚は怒らない。 しかもノってきたよこの人。
「どうしよう英二…明日は嵐が来るかも」
「えー!ランキング戦だからそれはやだよん!手塚!さっきの撤回してぇぇ!!」
「大丈夫だ。明日の降水確率は0%…いくら手塚がボケたからといって雨が降る確率はない。」
「それって乾のデータじゃないよね?」
「天気予報から引用だ。」
突如現れた乾も交えてコートへ向かう。 なんか三年になってから更に女の子の視線が痛い気がするんだけど、大丈夫ですかね?
「ま、みんな頑張ってねー!」
「「おう!」」
*
「Dブロック越前リョーマ6-0っス。」
「はい。今のところ全部0ゲームじゃん。すごいね」
「…別に。弁当食ってきていいスか?」
「どーぞ。次の試合遅れないようにねー!」
去ってく小さな背中を見て思った。 やっぱりあの子、琉にそっくり。
「琉が二人とかいやだー」
「俺がどうかしたんですか?」
「…げっ」
声と共に現れた琉は《なにやってんだコイツ》みたいな目であたしを見てる。
「なんで来たの?部活は?」
「今日は午前練で、前回のランキング戦のとき先輩が暇々言ってたんで、遊びに来てあげたんです。」
よくもまあこんなにも上からものが言えるなあ。 と脳内で呟いてたら大石と乾がやってきて、受付を交代してくれた。 せっかくだから琉と一緒にお昼食べようかな。
「ね、琉に似てる一年が居るんだけど、見てく?」
「どーせ生意気とかタメ口とかそーいうことですよね?野球部で散々言われてるんでいいです。てか、正直に昼食べよって言えばいいじゃないですか。」
「…。」
ごめん越前。 君のが全然可愛かったや。
ビックリ箱をプレゼント 「ゆきせんぱーい!今から飯っスか?」 「うん。桃も?」 「っス!一緒に食いましょ!もちろん琉もな!」 「(桃が1番可愛いな)」
2011 12/3
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