変わったうさぎ
翌日、案の定まこちゃんがうちにやってきた。


「おはようきいろちゃん。」
「ぴかっちゅー!(おはようまこちゃん!)」


実はまこちゃん、私の命の恩人なのです。初めてハルちゃんに会ったとき、ここに住むようすすめてくれたのだ。ハルちゃんは多分、私を食べようとしていた。恐ろしい奴だ。
それもあって私はまこちゃんが大好きです。身だしなみのチェックも、彼が来るとなればいつも以上にする。なんか、近所のお兄ちゃんが好きになってしまった年下の女の子みたい。


「今日も鯖なの?」
「当たり前だろ。」
「ハルはいいかもしれないけど、きいろちゃんそろそろ飽きたんじゃない?」
「ぴかぴかー!(まこちゃん神様!!)」


言葉が通じるくせにハルちゃんは私の思いを汲み取ってくれない。それに比べてなこちゃんは…なんて考えてたら焼かれた鯖が目の前に置かれました。明日から変わってるといいなー。









ずっと家に居ても暇なので、二か月ぐらい前から私は外にお散歩に行くようになった。穏やかなこの町はこんな黄色いのが歩いていても「可愛らしいちょっと変わったうさぎ」ぐらいにしか思わないみたいだ。ハルちゃんが外に連れて行ってくれた時にそう言われたので、それ以来勝手に裏口から出ていろんなとこを歩いてる。


「あらうさちゃん、お散歩?」
「ちゅーう!(うん!)」
「楽しそうねぇ〜あ!これあげるから食べなさい。」


おばあちゃんからもらったお煎餅をまこちゃんのお母さんが作ってくれたナップザックに仕舞う。ご近所さんからの餌付けがすごくてですね、手では持てないんですよ。ハルちゃんがお願いしてくれたんだよね。かなりお気に入り。


「ちゅう…(岩鳶高校ってどこにあるんだろうなー。)」


一時間ぐらい歩き回ってお散歩終了。いつか岩鳶高校に行くのが今の目標です。






鼻歌シンパシー
煎餅は醤油に限るよなあ…


20130915 by69


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bkm