まいふぁみりー
「ちゅーう!(もう飽きたよ!)」
「なんだ、鯖じゃダメなのか?」


次に私が訪れた場所はどうやら以前私が人間として17年間過ごしてきた世界と同じで、日本の鳥取県のようだ。相変わらず電気ネズミなわけだが、何故だかあの日目の前に居た彼―七瀬遙は私の言葉が通じるらしい。らしい、ってだけあって通じないこともしばしば。この人、なかなかの変人だ。


「俺は風呂に行くからな。」
「ぴかぴ?(学校は?)」
「休む。」


こんな感じに学校を休むことは少なくない。彼のもとにきて半年が経つが、正直自ら学校に向かう姿を見たことがない。幼馴染のまこちゃんが来てくれないといつもこうだ。でもさハルちゃん、今日始業式だよね?


「そんな目をしたって行かないからな。」
「…ちゅー。」


着ていたエプロンを居間に捨ててハルちゃんはお風呂へ行きました。
ハルちゃんは水が大好きなようで、時間があれば水風呂に浸かってる。まこちゃんの話によると、本当はプールか海で泳ぎたいらしい。海開きまでは海水浴はまこちゃんによって禁じられている。前に泳いで風邪ひいたらしい。近所にプールがないから、毎日こんな感じ。


「ぴっか。(食べよ。)」


目の前に置かれた鯖を頬張る。そう、もうひとつハルちゃんの好きなものがあってそれは鯖。毎朝毎晩、調理方法を変えて鯖が出てくる。木の実などを食していたあの頃に比べたらまだマシだけど、正直そろそろ飽きた。なんか違うものが食べたいなー。





ノンブレスで届けて
明日はきっとまこちゃんのお迎えがあるんだろうなー。
…毛並み揃えとこ。


20130912 by69


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bkm