くだらないくだらない

「すっごくどうでもいいこと聞いてもいい?」
「なーにー?」
「なんで空って青いのかな」
「白ちんてやっぱ馬鹿だったんだねー」


秋田にもようやく暑さがやってきた頃のお昼の時間、隣の席でお弁当をほおばってる白ちんが、唐突に口を開いた。昔から当たり前のことを疑問に思うことが多いらしくて、周りをよく困らせてるんだって。クラスメイトで白ちんの幼馴染が言ってた。


「じゃあなんで雲ってあんなに美味しそうなんだろう」
「それはオレもわかんない。けどわたあめみたいだよねー」
「わたあめっぽいから美味しそうなのかも…てかわたあめ食べたくなってきた!」
「明日、白花通りで縁日あるから行こうよ。わたあめ奢って。」
「わたあめぐらい自分で買ってよ。バスケ以外にお金使うとこないでしょ」
「制服とジャージしか着ない帰宅部の白ちんに言われたくないー」


部活が終わって寮に帰ろうとすると、犬の散歩してる白ちんに会うんだけど、いっつも黒のスエットにカラフルなTシャツを着てる。昨日は水色だった。


「じゃあ射的で勝負しよ」
「言っとくけどオレ、あれ得意だかんね」
「地元で育ったあたしに勝てると思ってんのか」
「リーチの長さの問題でしょ。」


毎日くだらないことばっかで、何が楽しくて笑ってんのかよく分からないけど、白ちんが笑ってるならそれでいいかなーって思う。あ、明日室ちんも誘ってみよ。


「オレが勝ったらわたあめとリンゴ飴と焼きそば二個ずつ買ってね。」









20130906


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bkm