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何だかちょっと似てる気がして、放っておけなかった。




「千代ちゃん。」

「んー?」

「三橋くん、大丈夫かなあ」


バスの中、マネジである私たち二人は部員より前の席に座った。
途中、田島くんが変なことを言って飲んでた麦茶、吹き出しそうになったけど、今はとりあえず平和。でした。


「気になるなら桃ちゃんも見てきなよ!」

「でっでも…」


その平和を乱したのは、1番後ろの席で顔を真っ青にしてる三橋くん。
しかも阿部くんが怒鳴ってどんどん涙目に……。
(かわいそう…)


「あのままじゃ三橋くんがかわいそうだし、体調チェックもマネジの仕事!」


頑張れ!って背中を押されて、通路を歩きだした。








瞼がおめーなあと思って寝ようか迷って辺りを見回したら、向こうから葉山がやってきた。
(何やってんだアイツ?)


「どうした葉山。」

「あ、う、と、あっちに…」

「あっち?」


指差す方向には三橋と阿部。
見るからに雰囲気わりぃ…。


「もしかして三橋を助けてあげんの?」

「うっうん!…あ、水谷!」


栄口の横に座ってる水谷を見つけて早々、葉山はキラキラした目で見つめた。


「それ!欲しい!」

「そういえば苺好きだったねぇ〜はいっ。」


ありがとっ!って言ってまた歩きだした。
普段葉山ってあんまり俺達と話してくれねぇんだよなぁ。
最初はキョドったり、吃ったりすっから三橋と一緒かと思ってたけど…。


「花井って葉山に怖がられてんの?」

「はあ?」

「だって同じクラスなのに接し方が全然違くない?」


栄口は俺と水谷を交互に見ながら言う。
(怖がられてんのか…?)


「ちげぇよ、それは。」

「え?」

「多分、人見知りなだけ。」

「俺ね、西浦で1番最初の友達なんだって、だからじゃない?」





―野球、好きなんだ。―
(初めて会話したとき)
(そう言って笑った彼女を思い出した)



2011.07.28
提供:空飛ぶニルバーナ


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