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青春をするために、まずは勉強をすることが必要です。




「三橋くん、西広くん捕った!」

「(西広くん初キャッチだ!)わ、わっ!」



―とかちこっ!!―




「わっ」

「あ、」

「うわっ!だっ大丈夫?」




練習試合2つ目、西広くんがレフトに入って初フライキャッチをした。
嬉しくなって三橋くんに話しかけたら、どうやら彼も嬉しかったらしく、ウロウロし始め、




「平気平気。あははは!ぶつかっちゃったね!」




シガポの元へと歩いてた千代ちゃんにぶつかってしまった。




「桃ちゃん、そろそろあの学校に渡すやつ、持ってきてくれる?」

「あ、はい!」











「赤点取ったら、試合出してあげらんないからねっ!!!」


「……ええ!!」

「あ、葉山。どこ行ってたんだ?」

「相手校に、お礼の粗品を…す、巣山くん、あれ、何があったの?」

「あーあれは…」




巣山くんの丁寧な説明によれば、モモカンが珍しく(というか初めて)勉強の話しをしたらしい。
そんで1教科ずつヤバい人を聞いたら三橋くんと田島くんが全部に手を挙げたとか…
(危なそうだもんね…)











「もうすぐ試験、なんだ」




最近はいろいろありすぎて(合宿行ったり葵くん、涼くんに再会したり…)そんなことすっかり忘れてた。
早く帰って勉強しなくちゃなあ。
国語は現国も古典も得意だ。
社会科も地理がないので大丈夫。
でも英数が……




「おー桃、ちゃんと待ってたんだな!」

「うん!!」

「田島、葉山誘ったのか?」

「ちげぇーよ?だって今日から一緒に帰んだろ?!」

「そーだけどよ…。なあ、葉山はこのあと暇か?」

「 ? 」

「このあと三橋ん家で勉強会すんだけど、来ない?」

「…それって、お、教えて、もらえるの?」

「え?」

「そういやお前、数学と英語、壊滅的だったな」

「うぅ…」

「文系科目はスゴイのにねー」

「んじゃ丁度いいじゃん!桃も三橋ん家行こうぜー!!」

「…うん!行くっ!」




高校初の定期テスト、なんとか助かりそうです。








―気づいたら空は笑っていました―
(なんで阿部は葉山が英数ヤバいって知ってんの?)
(席が前後だから。)
(でも古典の小テスト満点じゃなかったか?)
(数学の小テストは15点だったぜ?)

泉→阿部→花井→阿部

20110925
提供魔女


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