ピーターは、背中を頼りなげに曲げながら、隅のテーブルで未だ課題に向かっているようだった。 「お疲れ様」 「ああ、おかえり、セン!ホグズミードは楽しかった?」 「とっても。これ、お土産」 五人で買った金平糖の小瓶(ジェームズは初めゾンコの糞爆弾を推したのだが、リリーに断固として拒否された)を差し出すと、彼は疲れの滲んだ表情に微かに喜びの色を浮かべる。舒にセンの手の平へいくつかの星屑を乗せると、「食べて」と言って笑った。 「ジェームズは上手くやった?」 「先はまだまだ長いけど、とりあえずは一歩前進ってところかな」 「よかった!心配してたんだよ」 本当に嬉しそうな顔をして、自らも金平糖を口に入れる。 弱気で不器用な「腰巾着」のピーター・ペティグリュー。彼がなぜあんなにも破天荒な悪戯仕掛人たちと一緒にいられるのか、センには疑問でならなかった。 けれど、なんとなくわかったような気がする。ピーターはピーターだからこそ、彼らから選ばれたのだ。この愚かしいほどに心の優しい少年は、きっと。 「今度はペティグリューも一緒に行こう」 「うん。絶対だよ」 机いっぱいに広げられた魔法薬学のレポートに、センはニガヨモギの分量の書き間違いを見つけた。それを指摘してやると彼はようやく残されていた課題の存在を思い出したようで、慌ててそちらへ向き直る。センもその隣に座った。 やるべきことを全部片付けたら、二人でジェームズたちの部屋へ行こう。そこでは大事な親友が、大量のお菓子を用意して待っている。 |