音也様へ


2000HIT/ハレアレ♀←ミハ

始める前に敗北




双子。
姉弟。
優等生と不良。
ブラコンとシスコン。

アレルヤとハレルヤ、2人はどういう関係なのかと訊けば、様々な答えが返ってくる。だが言っていることは似たようなもの。仲がいい、ということだ。


それに気気付いたのはいつだったか。考えなくてもわかる、初めて2人に会ったときだ。
ミハエルが2人と出会った原因は喧嘩だ。目つきの悪いハレルヤに睨まれたと思ったのが理由だったか。
2人の喧嘩を止めようとしてハレルヤに抱きついたアレルヤ。それに気付かなかったミハエルはそのまま殴りかかり、アレルヤに迫った拳をハレルヤは受け止めた。
「大丈夫か? アレルヤ」
「うん、ごめんハレルヤ。でも喧嘩は」
「わかってるよ」
簡単に止められたことよりも、喧嘩をしているときとは明らかに違う声色とまなざしに呆然とした。

外見と名前から2人はきょうだいだとわかった。ミハエルにも妹がいる。大切な妹だ。
だからわかった。ハレルヤがアレルヤに向けた表情。そしてアレルヤがハレルヤに向ける表情。
あれはきょうだいに向けるものじゃない。
2人がそういう関係かどうかはわからない。けど、2人の間に誰かが入ることはできないんだろうと悟った。
いつの間にか力が抜けていたらしい。ハレルヤの手が離れたときにようやく気付いた。
再開する気もないのでその場を離れようとしたとき、アレルヤから声をかけられた。
「あ、あの……ハレルヤはちょっと目つきが悪いかもしれないけど、でも睨んでたわけじゃないから、だから……」
「……わぁったよ、勘違いして悪かった。もうソイツとケンカはしねぇよ」
さっきに比べて今の方が目つきが鋭い。睨まれてるのは今だとわかる。
「ありがとう」
今の今まで喧嘩してて、殴られそうになった相手に、笑顔でそんなこと言うコイツは馬鹿かとミハエルは思った。

これをきっかけにミハエルは2人と仲良くなった。
話しかけたりちょっかいを出したりした成果だとミハエルは思う。そして今ではそう思う度に「最悪だ」とため息がでる。
2人の思いには気付いていた。だが自分の思いに気付いていなかった。
何もしていないときにもふとしたときにもアレルヤが、自分に笑顔を向けるアレルヤの顔が浮かんでくることに気付いた。
初めて会ったときに好きになって、だから2人にちょっかい出してたのかと納得した瞬間絶望した。
どう見たって勝ち目がない。というか笑顔向けられる前に2人の間に入れないって悟ったよな? 悟った後に惚れるってどんだけ地獄だ。

今では2人とも親友ってくらい親しい友達だ。今更壊したくない。2人は気付いてない。言わなきゃバレない。
何度も自分に言い聞かせる。


いつ見ても2人は一緒。手を繋いでるのなんて当たり前。
「イチャついてんじゃねぇぞテメェら!」
そう言って2人の間に飛び込んでいく。それくらい無神経じゃなきゃやってられない。
諦めはしない。けど言いはしない。だからって応援もしてやるもんか!




END

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