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 ⇒下心なんてない(※狂愛)


 ――下心なんてないと思っているから?

 いいですか?
 男という生き物は下心の一つや二つは持っているのですよ。オープンにしている人もいれば、私にのような内に秘める人もいるのです。
 私が貴女に対してそのような感情を抱いたことがないわけがありません。
 だって、私は、貴女のことが好きなのですから。
 愛しているのですから。
 偏執的に、ね。
 貴女は幾度となく私の部屋に訪れたことはありますよね。ですが、秘密の部屋には入らせたことはありませんよね?
 部屋のクローゼットに小さな扉があるのを見たでしょう?
 その扉こそ、秘密の部屋につながっているのです。公の貴女との思い出と……貴女を盗撮した写真や動画で溢れているのです。ノーマルなものから、着替えているシーン、下着でうろちょろするシーンに、恥ずかしがりながらも自分の大切なところを手でぐちょぐちょにして感じているシーンまで様々。
 これから生で観れるというので、ぞくぞくしています。

「行きましょうか……」

 くくくっ、今にも息を荒げて押し倒したくなりますが、ここは抑えますよ。おたのしみのために。


***


 部屋に着いた途端、抑えていたものが勢いよく出る。
 咲弥を縛りたい。
 咲弥を苛めたい。
 咲弥の啼き声が聞きたい。
 咲弥を犯したい。
 咲弥を自らの手でめちゃくちゃにしてやりたい、と。
 あぁ、あぁっ……素敵ですね。想像するだけで、服の上からでも十分にわかるくらいにココが主張しています。ベッドの上に座る貴女からは見えませんが。
 ふふっ、さて、愛しい愛しい彼女で愉しむとしましょうか。
 ある準備が整った私は彼女のそばに自然を装って座った。何も疑うことを知らない咲弥は、まっすぐに私の瞳を見つめる。
 
「咲弥……愛していますよ……っ!」

 異様な声のトーンに彼女は警戒するも、もう遅い。私は肩をつかんで押し倒し、一気に距離を縮める。

「ど、どうしたの……? 六郎?」
「何も。ただ、咲弥と弄ぼうかと……」
「あそぶって、なに?」
「くすくす。こうするのですよ、咲弥」

 先程首にかけておいたロープを目的物の手首にがっちりと結んで、ベッド左右の支柱にくくり付けた。
 馬乗り状態の咲弥は抵抗するすべはなく大人しく、されるがまま。
 さすがに怖がらせたからか、涙が頬を伝ってシーツを濡らした。その頬に、私は舌を這わせる。

「泣くのではなく、啼いてくださいね」
 
 脅えて震わす体をひと撫でし、前開き仕様のワンピースのボタンを外していく。

[12/03/13]
別名『狂愛エンド』。裏になりそうだったのでここで切りました。

[終]



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