あなたに白湯、を 佐助編
我、聞いた。
咲弥、風邪ひいた。高い熱。食事、ままならない。苦しんでる、と。
幸村様、言う。「咲弥が気になるか? なら、看病しに行ってみたらどうだ?」と。
我、それに甘えた。咲弥の看病、する……!
意気込んだ。ただ、声かける勇気、無し。その前に、我、白湯、忘れた――。
「一時、戻」
そして、我、出直した。
今度こそ、看病、する。咲弥、助ける。
「咲弥、は、入る!」
襖開けるの、重い、気がした。
踏み入れると、幾分落ち着いた咲弥の寝顔、見えた。
額、手を乗せても、熱を帯びた感じ、無し。頬の色も、いつもの色。
「熱、下がった」
「んぁ……あ、佐助?」
「……はっ!? 咲弥、目覚ました?」
「うん。だいぶ楽になったよ。ありがとう」
花、咲いたような笑顔。――反則。
あっ、我、思い出した。
幸村様の命、果たす!
手、ガタガタ震える。む、むむっ、無問題!
「さっ、ささっ、白湯……我、咲弥に、口移しで飲ます……?」
「佐助? あ、ちょっと待ってー!」
[12/03/10]
佐助視点は難しすぎると反省。撃沈しました。
[終]