いいね、その顔……ゾクゾクする
※暴力表現有り
ああっ、何だよ、その目は。
泣いてんのか? 俺が怖い? 脅えてんの?
そりゃ、アンタから見れば何されるかわかんねーもんな。いきなり拉致って(いや、正確に言やぁ、お前付いてきたよな?)、どこぞの屋根裏に引っ張ってこられて気絶されるんだもんな。
で、その後俺は手首をちょちょって縛って、梁に吊るしたってわけ。
それだけじゃつまんねーから、着物をビリビリに引き裂いてやったぜ。
あぁ……男にはねえあの柔らかさといい、質感といい、たまんねーな。
「か、鎌之介……下ろして、よ……」
「やーだね」
いいね、その顔。……ゾクゾクする。
一方、咲弥は恐怖感からぼろぼろと涙を頬に伝わす。
泣いたってムダだからな!
これはお仕置きなんだ。俺の才蔵といちゃいちゃしてっから。
なにが「はい、あーん」だ。なにが「このおにぎりうめえ」だ。それくらい俺だって作れる。俺が才蔵に食べさせてやんの!
それに、なにが「咲弥はかわいい」だ。なにが「才蔵かっこいい」だ。
ふざけんな!
俺の才蔵を咲弥は奪いやがって。
俺の咲弥を才蔵は奪いやがって。
どっちも許さないからな!
許すとしたら才蔵の方だ。咲弥は絶対ぇに許さねえ。
「下ろしてほしいんなら、お願いするんだな。“鎌之介様、私のお口を弄ってください”って」
「いやっ……あぁっ!」
横から咲弥の体を突っつくたびにいやらしい声を出す。
そそられる。
まー、いじめてやったことだし、そろそろ可哀想だから下ろしてやるとすっか。
下ろした後が本番だかんな――。
[12/03/02]
このお題を見て「これは鎌たん用だ」と。才蔵も夢主さんも両方好きな鎌たんでした。
[終]