SSS
shortshortstory!

Main/Series/Gift/くろちゃん


20120920 17:52

赤黒

「テツヤ、二の腕を揉ませてくれ」
「…意味が分かりかねますが」

キラリと太陽が瞬くほどの笑顔を浮かべる赤司くんに、さーっと血の気が引く感覚。
こんなにも血の気が引くとは寒気がするようなものなのかと一人ぼんやりと考えた。

詰め寄る赤司くんを不満げな視線で見つめ返せば、彼は笑顔を深くした。

「大丈夫だよテツヤ。変なことはしない」
「…赤司君の大丈夫は信じられません…」
「じゃあテツヤ、これは命令だ」
「…それは聞けない命令ですね」
「…テツヤ、僕の命令は?」
「ぜったーい、…ですが今はそんな状況じゃありませんからね」

指をわきわきと怪しく動かす赤司くんに危機感を覚えて、焦燥感に煽られるままジリジリと後退りをする。
赤司くんは「逃げないでよ」なんて言うけれど正直いって無理な話だ。

不気味に口角を吊り上げた、悪魔のような我が帝王に追い詰められるようににじり寄られれば逃げたくなるというのが本能だ。

まず大体なぜ二の腕を触りたがるのか分からなかった。
確かに僕の二の腕は青峰くんは緑間くんたちに比べて筋肉もないため、少しふにっとした肉の感触がすることを自覚しているが
だからといって女性のように柔らかくしているはずもない。

彼に何のメリットがあるのだろうか…。そう考えを巡らせていたことを悟られたのか、スキアリとばかりに二の腕を握るように弄られる。

「っえ、うわっ」
「…んー」
「っちょ、っと赤司くん」
「…あー…」
「っ離してくださ…、い」

触られるくすぐっさに身を捩りながらも、赤司くんを制しようとするけれど赤司くんは僕の言葉には反応の一つも見せずにただ唸る。
そしてふにふにとしばらく二の腕をいじったのち勢いよく顔を上げると、微妙といった面持ちで二の腕を見つめた。

そしてふぅ、と一息つくと一言。

「…やっぱり胸の方が良いかな」


意味深なその言葉に首を傾げた僕が、その意味を理解するのは、ほんの少し先の話。

『二の腕=胸?』



20120906 17:50

誠凛

伊「…緑間の口癖ってさあ、やっぱりなのだよなのかなあ」

日「なんだよいきなり…」

伊「…いやなんとなく思った」

小「いやーやっぱしなのだよじゃね!?」

伊「だよな。でも人事を尽くして天命を待つ、とも言うよな…」

小「あーなるほどなー…」

日「いやなるほどじゃなくて練習をしろ練習を」

伊「まあこれも息抜きの一環だって」

小「そーそー難しいこと考えんなって!」

日「…お前らなあ…」

伊「青峰は…、俺に勝てるのは俺だけだ(ドヤア…)だろ?」

小「うんうん!青峰そんな感じ、ってか伊月ちょー似てる!」

日「あいつって意外とナルシストだよな…」

小「つか自信家だよな」

伊「キセキってそんなもんだろ」

日「テツのバスケじゃ勝てねーよ(キラーン)、とかお前の光は淡すぎる(嘲笑)みたいな」

小「あー言うねー。あれぶっちゃけイラッてきたけど恐くて言えなかった…」

伊「さすがコガ」

小「さすがじゃねーよ!?」

黒「あ、先輩方」

日「おー黒子基礎練終わったのかー?」

黒「はい。丁度今終わりました。ところで先輩方何してるんですか?」

伊「キセキの世代の口癖の話してたんだよ」

黒「キセキの世代の?」

小「おー。…あ、今思ったんだけどさ」

日「なんだよ」

小「黄瀬の口癖ってさ、…あれだよな」

伊「…あー、…あれだなあ、」

日「…ぶっちゃけ"ッス"とかよりも…。…あれだな、」

黒「…あれって何ですか」

伊「あれはあれだよな」

小「うんうん。あれ以外に無いと思う!」

日「やっぱ黄瀬の口癖っていったら…」


「「「黒子っち、だろ?」」」

黒「意味が分かりません」


20120903 19:38

青と黄

黄「もー!青峰っちこんなとこにいたんスかー?」

青「…」

黄「赤司っちにこっぴどく叱られるッスよー!部活に出ろ、って………寝てるんスか」

青「…」

黄「青峰っちー部活始まってるッスよー」

青「…」

黄「起きる素振りもない、ッスね……、青峰っちー先にいってるッスよ!赤司っちにも保健室だって嘘ついとくから!」

青「…」

黄「じゃあ先、行くッスね」

青「………め、だ……」

黄「…?」

青「…、だ、めだ………置いてくな……」

黄「…青峰、っち……?」

青「…まってくれよ……行くなって…」

黄「……いきなりどうしたんスか…」

青「やめろ…っ1人にするなよ……待てよ!」

黄「あ、青峰っち、俺はちゃんとここにいるッスよ…?」

青「行くなよ…………………待ってくれよおっぱい!!」

ガバッ

黄「……」

青「……」

黄「……」

青「あ、黄瀬いたのかよ」

黄「あ、うん」



他のジャンルでの使い回しですすみません


20120831 15:17

モブ黒→青黒

「ごめん、テツ」

「…どうして青峰くんが謝るんですか」

「…悪かった」

テツの辛さに気づいてやれなくて、悪かった。


潤いを失った青峰くんの唇から漏れるように溢れた言葉は、掠れてて震えてて。

でも確かな強さを持っていた。

その言の葉は感情を失いひび割れて再生することが不可能となった僕の心を、強く揺らした。
その言葉はバラバラに散ったガラスの破片を集めるように
丁寧に、そして確かめるように僕の心を組み立てていく。

まるでジェンガのように。


「…ごめん、テツ」
「いつまで…謝ってるんですか」
「……お前が…好き、なんだ」
「……青、峰…くん…?」
「…お前が…テツが、好きなんだ。あいつなんかと付き合う前から、ずっと。お前のこと、ずっと好きだった」


『ずっとお前を見てた』

らしくもなくひどく傷ついたような顔をしてブルーの瞳はゆらゆらと揺れる。


「…そうですか」
「……テツ?」
「……青峰、くん」
「…なんだよ」


まだこの胸の深い傷は未だ生々しい記憶を呼び起こす度うずく。
いつ立ち直れるかなんて僕自身もわからない。

それでも青峰くんは感情を失ったこんな僕のことを好きだなんていう。
生きたまま死んでる、人間の器だけで生きているようなこんな僕のことを。


(それでも、それでもこれからも生きたまま死に続ける僕を、)

「…青峰くんは、愛してくれますか?」

青峰くんだけが一緒にいて、愛してくれるなら−…。


「もちろんだ」

ガラガラと壊れたジェンガは組み立てられていって、
完成まであと、少し。

不敵に笑う青峰くんはやっぱりかっこよくて、久しぶりの笑顔を弱々しくうかべた。


「僕も好きです、あおみねくん。ずっと、前から」

だったら両想いだな。
そう笑った青峰くんの言葉はどちらからともなく仕掛けたキスに淡く飲み込まれた。


20120828 14:19

火黒←黄

俺はなんて汚い人間なんだ。

見た目がかっこよくたって可愛くたって中身が汚かったら意味がない。

そう俺みたいに。


だって、あの子が欲しいんだ。
影は薄いくせに、誰よりも光のように輝くあの子が。

(…ねぇ、黒子っち)

「どうして、俺じゃないの?」
「…え?」

ああダメッスよ俺。
言っちゃダメ。黒子っちに嫌われちゃう。

黒子っちはガラス玉のような瞳を光らせて俺を見つめる。
クラクラと目眩を覚えるくらいに。

「…なんで、火神っちなの?」
「え?」
「なんで、どうして俺じゃないの?」
「どうして、と言われても…」

分かりません。
苦笑して言う黒子っちはやっぱり綺麗だった。
でもそのすべてが俺のものじゃないのが悔しかった。

出逢ってからずっと、ずっと好きだったのに。
黒子っちが俺達から離れても、ずっと好きでいたはずなのに。
どうして伝わらなかったんだろう。

(…可哀想な黒子っち、俺が黒子っちのことを狂うくらい好きだってことを知らない)

悔しかった。
自分の気持ちが伝わらなかったことが。
俺達から、離れていったことが。

青峰っちや緑間っちにさえ「狂ってるぞ」なんて言われたけど。
そんなことどうでもいい。
黒子っちが俺を好きになってくれさえすれば、どうでも良かった。


(…もう、疲れたッス。…やめよう。だったらいっそ、)





そう、黒子っちの折れそうな白い手首に手を伸ばしたとき、
黒子っちは笑った。

「なんだか、分からないんですけど…」

それはそれは、ひどく嬉しそうに。


「彼のことが好きなんです」

誰よりも。
そう言って今まで一度も見たことない笑顔を浮かべた。

(…綺、麗)

その時、ふと思ったんだ。

「…黒子っち、ひどいよ」
(だってそんなの、無理ッスよ)


「そんなの俺、敵わないッスよ」

(俺は、あいつに敵わない)


20120823 17:51

青黒

僕が女だったら、良かったのに。

かわいくて、胸も大きくて、元気で、スポーツもできて、笑顔がかわいい、君好みの女の子。
そんな子だったら良かったのに。なれたらよかったのに。

ごめんなさい青峰くん。
僕が女だったらいつでも君と手を繋いだりキスできたりするのに。

女だったら、良かったのに。


微笑んでいえば、「バーカ」と笑い彼は僕の頭を小突いて唇に触れるだけのキスを仕掛けた。

「お前が女だったら好きになってねーっつーの」

男のお前が好き。


微笑む彼に強く抱き締められながら僕も笑った。

「僕も男の君が好きです」


20120823 17:38

モブ黒→青黒

比較的仲のいいモブが黒子っちに告って、別に嫌いってわけじゃないし普通に好きだったからってOKしたけど
暴力だとか強姦だとか何とかで色々追い詰められた黒子っち的な感じの前提で青黒。
*

「ごめん、テツ」

「…どうして青峰くんが謝るんですか」

「…悪かった」

テツの辛さに気づいてやれなくて、悪かった。


潤いを失った青峰くんの唇から漏れるように溢れた言葉は、掠れてて震えてて。

でも確かな強さを持っていた。

その言の葉は感情を失いひび割れて再生することが不可能となった僕の心を、強く揺らした。
その言葉はバラバラに散ったガラスの破片を集めるように
丁寧に、そして確かめるように僕の心を組み立てていく。

まるでジェンガのように。


「…ごめん、テツ」
「いつまで…謝ってるんですか」
「……お前が…好き、なんだ」
「……青、峰…くん…?」
「…お前が…テツが、好きなんだ。あいつなんかと付き合う前から、ずっと。お前のこと、ずっと好きだった」


『ずっとお前を見てた』

らしくもなくひどく傷ついたような顔をしてブルーの瞳はゆらゆらと揺れる。


「…そうですか」
「……テツ?」
「……青峰、くん」
「…なんだよ」


まだこの胸の深い傷は未だ生々しい記憶を呼び起こす度うずく。
いつ立ち直れるかなんて僕自身もわからない。

それでも青峰くんは感情を失ったこんな僕のことを好きだなんていう。
生きたまま死んでる、人間の器だけで生きているようなこんな僕のことを。


(それでも、それでもこれからも生きたまま死に続ける僕を、)

「…青峰くんは、愛してくれますか?」

青峰くんだけが一緒にいて、愛してくれるなら−…。


「もちろんだ」

ガラガラと壊れたジェンガは組み立てられていって、
完成まであと、少し。

不敵に笑う青峰くんはやっぱりかっこよくて、久しぶりの笑顔を弱々しくうかべた。


「僕も好きです、あおみねくん。ずっと、前から」

だったら両想いだな。
そう笑った青峰くんの言葉はどちらからともなく仕掛けたキスに淡く飲み込まれた。


20120823 18:37

帝光all

「みんなはどうやって女の子落とすんスか?」

「はあー?んなの口説き落とすに決まってんだろ」

「さすが青峰っち!野性児ッスね!」

「いや誰が野菜児だよ。野菜食わねーよ」

「いや言ってねーッスよ?」

「俺は好きな人などできたことがないから分からないのだよ」

「んじゃータイプとかはあるんスか?」

「そうだな。俺に尽くしてくれるやつが好みなのだよ。俺が何も言わずともそれをやってくれて俺だけに尽くし働き、登下校のリヤカーを漕いでくれるとなお良いな」

「緑間っち、それは好みの下僕って言うんスよ。下僕は好みのタイプの対象外ッス」

「黄瀬、お前にいい方法を教えてやる」

「赤司っちの方法?何か期待できそうッスね!」

「まずステップワン」

「ワクワク…」

「脅す」

「ステップワンにして落としかたの常識をぶち破ったッス」

「今僕の中で常識がすごい勢いでゲシュタルト崩壊を起こしてます」

「俺もなのだよ」

「サクサク」

「…紫原お前ちょっとは話せよ」

「うまい棒ちょーうまい」

「いやそういうことじゃねーよ」

「そしてステップツー、犯せ」

「いやいやそれただの最低男じゃないッスか!」

「しかも犯すではなく犯せとはな」

「何とも逆らいがたい命令口調ですね」

「てか普通に優しくしたりお菓子あげたりすればいいのにー」

「それじゃつまらないだろう」

「いや誰もおもしろさ求めてないッス。逆に赤司っちはつまらなさを求めた方がいいッス」

「…てかつまりどういうことだよ?」

「つまり全体を総じると脅して犯して嫌われろってことです」

「嫌われちゃだめッス!!」


20120822 19:08

高黒

きっかけはたまたま同じ時間に同じ場所で居合わせた。
ただそれだけ。

どうしてもお互いの共通点がバスケなせいか、会うのは試合会場というシチュエーションが多かった。

だからこそ会ったときは何か見てはいけないようなものを見てしまった感覚になるほど新鮮で、何だか胸がドキドキした。


何してるの、と問えば特に用もなくフラフラと歩き回っていただけだというものだから
丁度いいなんて下心見え見えのセリフで笑いながら彼の手を引いた。

だからといって街を歩くわけでもなく、二人でやってきたのは人気のない公園。
そのまま二人一緒にベンチへ腰をかける。

「黒子とさあプライベートで会うの初めてだよな」
「…確かに言われて見ればそうですね」
「しかもお互いピンでな」
「いつもは火神くんと緑間くんがいますからね」
「…あーいるいる、いるな絶対」

賛同するような俺の言葉に黒子は「二人きりで会う機会なんて滅多にありませんよね」と柔らかい物腰でいう。
そんな黒子の言葉にあー、と一瞬考える素振りを見せると
ベンチの近くに見知った花が咲いていて腰を浮かすとそれを二輪つんできた。

「…何て言う花ですか?」
「これはねシランつって色んな所に咲く花なんだよね。…花言葉は"互いを忘れないように"」

そう笑って一輪、花を黒子に差し出せば、一瞬不意をつかれたような表情をしたのちふわりと笑ってそれを手に取った。

「俺のこと忘れんなよ?」
「忘れるわけないじゃないですか。そっちこそ、忘れないでくださいね」
「あったりまえじゃん」

そう笑いあって、優しく花を握り締めた。


20120821 13:32

ごちゃまぜ

「高尾!」
「高尾くん!」

「…え?真ちゃんとテッちゃん?どしたの?」

「高尾!お前いい加減決めるのだよ!」

「…は?何が?」

「何が?じゃありません。君はいつになったら僕と緑間くんどちらをとるかはっきりさせるんですか」

「…は、は!?テッちゃんと真ちゃんどっちをとる!?…な、何それ」

「とぼけるな!高尾は俺にずっと一緒だと言ってくれただろう!」

「えぇっ!?」

「違います。高尾くんはいつでも僕だけを見つけてくれると言ってました」

「へっ!?」

「俺だろう高尾!」

「僕でしょう高尾くん!」


「どっちか選ぶのだよ!」
「どっちか選んでください!」







「……って夢を見たんスよ。やばくないっスか?」

「ああヤバイ。かなりそれはヤバイな。お前の頭がな。轢くぞ」

「両手に花、みたいな?」

「いや影薄いやつと195cmの大男で何が花だよ笑わせんな」

「しかもしっかり朝勃ちしてるんスよね」

「お前が色々といきすぎてハイスペックの陣地に収まりきってない気がするのは俺だけか?俺だけなのかよ?」


20120820 14:40

紫黒

「俺さー、黒ちんのうるさいとこ嫌い」


紫原くんが新作のポッキーをくわえながらそう呟く。
頬を膨らませて僕を睨むように見る彼にはぁ、とため息をつく。


「僕も君のワガママなところ嫌いです」


先程紫原くんにもらったのりしおを一枚口に放り込みながらそう言う。

彼がしたように横目で睨むようにしてそちらを見れば紫原くんは僕と視線を交じあわせるとポッキーを口に差し込むようにくわえる。

そしてさもつまらなさそうに「ふーん」と呟いたいたあと
「でもね」と言葉をもらした。


「うるさいところは嫌だけど、うるさい黒ちんは嫌いじゃないんだー。知ってた?」


そう、にへらと柔らかく笑うと紫原くんは首を傾げた。

いきなりの言葉に驚きながらも「知らないです」と答えれば「だよねー」と彼は笑った。


「…実は僕もワガママなところは嫌いですけど、ワガママな紫原くんは嫌いになれないんです」


彼を真似したように「知ってました?」と笑って首を傾げれば、
彼もまた僕のように目を丸くして「知らない」と答えた。

「僕たち実は両思いなんですよ」

そうポテトチップスを彼にくわえさせながらくすりと笑えば

「ほんとだー両思いだねー」

そう間延びした声で幸せそうに彼もまた笑った。


20120820 4:37

黄黒

※ものすごい暗い


「…黒子っち大丈夫?」
「大丈夫、です」
「……嫌ならやめてもいいんスよ…?」

大丈夫です、やれます。
そう無理したように笑う黒子っちの手は震えている。

その手に強く握りしめているのは、銀の光を放つナイフ。
これから俺を切り裂くナイフ。
それと同じように俺の手に握られているのも目映く光を放つ、黒子っちを引き裂くナイフ。

黒子っちが怯えるのも無理はない。
だって俺達はこれから、

(心中を、するんスから)

これがどんなに罪深いことだって、いけないということだってもちろん分かってる。
それでも耐えられなかった。

ホモだ、って。ゲイだ、って。そう俺たちを否定する世間の声に。

心中を持ちかけたのは俺だ、ほんとはいけないことだって分かってる筈なのに黒子っちは悲しそうに笑って「はい」とだけ頷いた。


「…黒子っち、大丈夫。一緒に、死ぬから」
「…黄瀬く、ん」
「…黒子っち、」
「……はい」
「最後にキス、しよう」

そう言って顔を近づければ、黒子っちは何も言わず目を閉じた。
唇がそっと触れ合う。
触れたそれは、死ぬ直前だとは思えないほどいつも通り暖かかった。

瞬間手首にはしる、小さな痛み。
見れば黒子っちが俺の手首にナイフをあてていた。

「……黒子っち、好きだよ」
「…僕も好きです、…黄瀬くん」

二人なら大丈夫、お互いそう信じながら
黒子っちの手首にナイフをあて、ゆっくりとそれを差し込んだ。



20120820 4:35

高緑+α


高「緑間!」

緑「何なのだよ」

高「真太郎!」

緑「何なのだよ」

高「真ちゃん」

緑「何なのだよ」

高「…いや?やっぱさー、緑間は真ちゃんって呼んだ方が嬉しそうにしてるなーって思ってさ」

緑「……」

高「えっ何々図星?きゃー真ちゃんかっわいいー!」

緑「…黙れ」

高「真ちゃんちょーかわいい!まじ俺の天使!」

緑「……黙れ」

高「真ちゃんほんとかっこかわいい!真ちゃんまじ俺の真ちゃん!ほんと真ちゃんって地上に舞い降りた堕天使だよね!」

緑「…………うるさい、…和成」

高「まじhshsしたいよー真ちゃーん!ちゅーしよーよ真ちゃん!ダメならprprさせて!おねがーい、………………って、え?今なんつった真ちゃん」

緑「…何も言ってないのだよ」

高「えーっ!嘘だ絶対今言ってた!」

緑「言ってないのだよ」

高「絶対言ってたって!絶対今和成って「言ってないのだよ!」







宮「………ほほーうつまり二人纏めて宮地様に轢いてもらいたいと?……木村、軽トラと大サービスでドリアン」

木「はいよ」




20120820 4:29

帝光all


「みなさん、これどうぞ」


卒業式直後のバスケ部が集まっていたところにいきなり顔を出したのは
全中三連覇後僕たちとの亀裂をきっかけにバスケ部を辞めたテツヤだった。

テツヤは来たと同時に挨拶もなしに、僕たち五人に何かを差し出した。


「…これは、…花?」
「はい。イヌサフランと言う花で水を与えなくても育つという丈夫な花なんです」
「…でも何でこれを俺たちにくれるんスか?」
「……それは…」

黄瀬がそう首を傾げて言うと、テツヤは何か迷ったように視線をさ迷わせると
「教えられません」と困ったように忘れた。


「これは捨てていただいても枯れさせてもかまいません。……ただ、これは僕の気持ちです」

それだけは忘れないでください。
そう悲しそうに笑うと、テツヤは一度頭を下げてそそくさと教室に戻っていった。

「…これがどうしたっつーんだよ」
「食べられるのかなー?」
「…食べちゃダメッスよ紫原っち!」

それぞれが花をまじまじと見つめ、言葉をこぼす。
その中で緑間だけは、何か気になるのか顎に手をあてながら花を見つめる。


「どうしたんだ緑間」
「…いや、この花が綺麗だと一度黒子が教えてくれたことがあってな」
「それがどうかしたか」

緑間は低く唸ると「確か花言葉は、」そう呟いた。

「…花言葉は?」
「……確か、」



(楽しい思い出)


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