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布団に横になっているリクオの側に座って看病をする。部屋には氷麗や首無たちがいる。首無から渡されたタオルをリクオの額に乗せると小さく声が聞こえた。



「ん······うぅん···」



徐々に開いていくリクオの目を見て私が彼の顔をのぞきこむと、リクオは驚いたように目を見開いた。



「神夜···」
『気が付いた?リクオ』
「急に倒れられて···ビックリしましたよ〜。どうしたんですか?熱はないし···」
「あ···そっか」



こいつ、倒れたこともわかってないのか。


『鴆の薬がきいたみたいね』声を洩らすと隣にいた氷麗が頷いた。目の前のリクオは額からタオルを取ると、体を起こす。



「あ···うん···心配···かけた···ね」



歯切れの悪いその言葉に眉を顰めると私と氷麗の間からズイッと鴆が出てきた。



「まて。まだ安静にしてろ。おい···お前らも気をつかってそろそろ出てけ」
「え···」



鴆は私達を立たせると、私と氷麗の背中を押して部屋から追い出した。ちょ、何で私も!?



「あっちょ···おさないで下さい〜」
『ちょっと!何で私まで!!』



私達の抗議も虚しく、中にいたリクオ以外の者達が部屋の外に出ると鴆は問答無用で襖を閉めた。鴆はよくて何で私はダメなのかな!?


するとリクオの様子を見に来たのだろう黒田坊と青田坊と河童が私達の様子に首を傾げた。



「雪女、姫様、どうしたんですか?」
『鴆に追い出されたのよ』



フンと鼻を鳴らして腕を組むと視界の端で九つの尻尾がユラユラと揺れた。それを見て黒田坊が「それは···」と苦笑いをすると、青田坊が私の隣にいた氷麗に「リクオ様は···?」と問いかける。



「目は覚ましたわ。今は鴆様が見てる」



氷麗のその言葉に私達は一斉に目の前の襖へと視線を向けた。



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