穂積は自分が出来ることはここにはないと分かるや、すぐさま部屋を出て行った。

「あ、俺も、俺も光探して来ますっ!!」

ショックはまだ抜けていないだろうに、それでも仁志は穂積の後を追って控え室を飛び出した。

残された二人はひたすら、冴えない格好の生徒を求めてそれぞれの画面を注視している。

何故、仁志が光の傍を離れたのか。

今は理由などどうでもいい。

問題は、仁志という防波堤がなくなった光の安否。

転校生の暴挙に怒り心頭の穂積ファンだけならばまだしも。

「仁志くんのファンが一番過激なのに……っ!」

綾瀬の声は、言いようもない不安に震えていた。

光はまだ、見つからない。




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