「言い訳になってしまうんだけど、君の〔ゲスト〕指定は穂積くんの独断で決まったことなんだ。長谷川くんには、本当に悪いことをしたと、生徒会一同反省している。ごめんね」
「安心しろ。ゲーム中はお前の周囲を会計方が護衛に当たることになっている。心置きなく逃げ回るといい」
「立場上、表立ってガードは出来ないけど、少しは危険が減るはずだよ。仁志くんも同じ軍になるし、勝手なお願いだけど碌鳴での初めての行事を、少しでも楽しんでもらえたら嬉しいな」
「ちょ、ちょっと待って下さいっ。何がなんだか……お二人は生徒会の方なんですよねっ?」

畳み掛ける歌音と逸見の説明に、やや強引に割り込んだ。

そうでもしなければ、話に置いていかれて完全に振り切られてしまう。

コメカミを押さえて情報を整理してから、顔を上げる。

「その、つまり会長の行動はすべて会長の暴走であって、生徒会としての総意ではない。けれど大々的に公表してしまった〔ゲスト〕指定を今更撤回することも出来ないから、会計方と呼ばれる組織が、サバイバルゲーム中は隠れて俺を護衛してくれる。だから、少しは危険度も下がるし、仁志と一緒にゲームを楽しめるかも……って言うことですか?」

与えられた情報を繋ぎ合わせてまとめてみせた光に、対面の二人はさり気無く視線を交わした。

「……なるほど。馬鹿ではないようだ」
「逸見」

歌音はまたしても逸見の性格の悪い発言を嗜めると、答えを待っている光に向かってやんわりと微笑んだ。

「そう、長谷川くんの言う通り。穂積くんも無茶なことばかりやる人だけど、根はいい子なんだ。だからって彼がやったことが許されるわけではないけど、他の生徒会メンバーや、逸見たちが必ず君を護るから、心配しないで」
「あの、大丈夫なんですか?」
「逸見たちは僕と違って強いから、信頼して……」

怯えていると勘違いをしたのだろう。

相手は安心させるように、殊更笑みを深めたが、光は否定の意を込めて首を振った。

「いえ、そうじゃなくって……仁志もですけど、会長に逆らって、アダムス先輩?とか逸見先輩は大丈夫なんですか?」




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