そして始まる。




安全な週末が終わった。

仁志から〔ゲスト〕の説明を聞いた光の予想通り、ゲームまでの残り時間は何の障害もなく過ぎて行った。

喜怒哀楽の激しい不良は、疎ましいほど用心するようにと言っていたが、数日後には学院側から光潰しのGOサインが出るも同じ。

それを待たずに何か大掛かりなことを仕掛けるほど、生徒たちも馬鹿ではないのだ。

犯人が特定されやすく、罰則覚悟で攻撃をするくらいならば、ゲーム中のアクシデントとして処理されやすい方が、いいに決まっている。

仁志は会長に対する怒りが落ち着いたのか、行事の準備にと時たま授業をサボって生徒会室に向かうことさえあったが、やはり光の傍を離れるのは心配なようで、安心させるように笑ってやるのが最近の日課だ。

穂積に〔ゲスト〕指定されたのが木曜日。

三日間の静けさは、まるで嵐の前兆のようでもあった。

勿論、静けさと言うのは比喩であり、光を取り巻く罵声の渦は、日ごとに威力を増してはいたけれど。

ただ、直接的な危害を被ることだけはなかった。

そして時計は回り、安寧たる時が終わる。

サバイバルゲーム当日が、やって来た。




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