いやいやいや、いくらなんでもそれは無理だ。

信じられないとか、そういう話じゃない。

この傲慢男の心が、根性捻じ曲がっていそうな男の心が。

ちょっとやそっとで真っ直ぐになどなるはずがないだろう。

思い込みもいいところ。

ぎょっと目を剥けば、穂積は心底嫌そうに眦を上げる。

「何か文句でもあるか?ゴミ虫」
「いくら会長が魔王でも、不可能なことはあると思う」
「……お前こそ捻くれているだろ」

正直に告げるや返された言葉に、うっと詰まる。

何せそこは否定できないのだ。

幾人もの人間を騙している自分が、捻くれていないはずがない。

穂積を糾弾する前に、自身を振り返るべきである。

またしても忘れていた暗雲が蘇り、光の身体は力を失った。




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