回想。




「雪?」

急に沈黙した男を心配そうに見れば、彼は我に返ったように顔を上げた。

衣織の顔を視界に入れ、ほっと安堵したように表情を和らげる。

細められた瞳があまりに優しくて、何とも言えないあたたかい感情が、身内の中央に灯った。

「つらい?言えないか?」
「いや、聞いてくれ」

浸っていた追憶を払うように首を振ると、雪は話しを続けるために、口を開いた。




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