出会いU 2/4
ナーマエがダリューンを見つめていると、彼はその視線に気付いて、すまなさそうな顔をこちらに向けた。
「とんだ無礼をいたした。日の使者とは知らず、不徳のいたすところ。まことに申しわけございませぬ」
「こちらこそたいへんな非礼を。名乗りもせず申しわけありません」
「しかし、まさか異国のあなたのようなかたが、このような場所にいるとは思わぬもので」
「つまり……」
ダリューンが肩をすくめて言うと、ナルサスが話に割って入った。
「蛮族はびこるこの地がふさわしくないと言っている。こいつはおぬしが宮殿で、小鳥にささやく姿でも想像したのだろうよ」
そうきっぱり言ったので、ダリューンはナルサスに抗議の視線を向ける。
「ナルサス、そんなことは一言もいっておらん。日の使者、誤解なさるな。どうにもナルサスの機嫌が悪い」
「お気になさらず。ナルサスとは古いつきあいなので…」
ナルサスは不機嫌そうになって言った。
「おれの機嫌が悪いのは当然のことだ。旧友がたずねてくるかと思ったら、とらえられていたのだ。怒りもするさ」
ダリューンはそれを聞くと、視線を落として言った。
「まあそういうな。やむにやまれずだったのだ」