数秒で終わらせてやると息巻いたものの、未だに木陰に身を潜めているわたし。ちなみにナルトとサクラとは離れたので今は一人だ

もう既に準備万端なので、あとはナルトの合図を待つだけだ
タイミングを逃すと作戦が全て水の泡になってしまうというこの状況に若干プレッシャーを感じてしまう

今か今かと待ち構えていると、遂にその時がきた


「よっしゃー、行くってばよ!お色気の術!」


威勢のよい掛け声とともにナルトの身体が白い煙につつまれる
やや暫くして煙がやむと、中からビキニを着た“わたし”が出てきた


「カカシく〜ん」


“わたし”が甘い声を出してカカシくんにすりよる


「なっ…!?」


息がかかりそうな程に顔を寄せる“わたし”にカカシくんは目を見開いて驚いている
ところで、一応言っておくがこの“わたし”とはナルトが変化したわたし、みょうじなまえの姿のことである

というかナルト、やり過ぎじゃない?


だが、驚いたのは一瞬だけで、すぐに“わたし”にクナイを突き付けようとするカカシくん


「今だ」


一言そう呟くとわたしは一直線にカカシくんの背後に突っ込む

しかし、カカシくんの腰を掴んだと同時に丸太に変わって姿を消されてしまう


「まだまだ甘いね、なまえ」

「変態なカカシくんにだけは言われたくないわよ!」


これは決して強がりなどではない。なぜならこんなのは想定済みのことだからだ
きっと今、カカシくんは地面の中に隠れているはず


「サクラー!」


恐らくサクラがいるであろう方向に呼び掛けると間もなく姿を現す


「しゃーんなろーっ!」


精一杯叫んだ彼女は素手のまま、地面に拳を振り下ろす。すると、たちまち地面には亀裂が走り地割れを起こした


ふふん、これならいくらカカシくんでもいつまでも潜ってはいられないでしょうね
そんなわたしの思惑通りカカシくんは慌てて地面から飛び出す


「ナルト、サクラ!いくよ!」

「「了解!」」


一瞬の隙をついてわたしたちはカカシくんの腰に飛び付く

そして見事、ナルトとサクラの両者は鈴を握っていた


「チェックメイト!」


そう言うわたしの手にはイチャイチャパラダイスが握られているのであった




(わたしで変な想像した罰よ、罰!)










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