つい先程、火影邸に呼び出されると、なまえが長期任務に出掛けたと告げられた。あまりにも突然な事だったので驚きが隠せない。それに、俺にだけじゃなくあいつらにも一言もなしって一体どういうことよ?
綱手様の話によれば、どうやらなまえは七班をやめたいと言い出したらしく、それで気持ちの整理をする意味合いも含めての長期任務らしい。っていうことはなんだ、そんなに俺が嫌いだったってこと?最近は前よりも心が近づいたと思ったんだけど。それはただの俺の勘違いだったのかと少々の落胆。それにずっと帰って来ないというわけでもないし、帰って来たら気が変わっているかもしれないし、気長に待つしかないよねうん
「カカシ先生!前、前!危ないってばよ!」
「んー?」
少し慌てたようなナルトの声に俺は立ち止まり、無意識のうちに合っていなかった焦点を合わせてみれば、目の前にはそびえ立つ電柱。あーあ、俺としたことが。全く何をやってるんだろーね?
「カカシ先生、なまえさんが黙って長期任務に出掛けちゃったこと、ショック受けてるみたいね」
「いい歳して恥ずかしいよな、カカシ先生」
サクラとナルトは内緒話をしているつもりだったみたいだが、俺に全て筒抜けだった。敢えて何も言わないが。それに二人の言っている事は正しいから。なまえがどんなに強い忍であるかなんて、俺が一番知っているつもりだ。でも、心配なのも事実で
「なまえさんはきっと無事に帰ってきますよ」
「ああ、分かってるよ。でも、」
「でも?」
心配せずにはいられないでしょ、俺の想い人なんだから。なんてのは、とても教え子であるこいつらの前で言えそうにもない。言おうものならそれこそ辛辣な言葉の数々が飛び出してくることだろう
(それがどんなに不毛な恋であろうとも俺は、)
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