テンゾウから説明された任務の内容は光の国の大名を木の葉までお連れするというものだった。つまり護衛ということである。綱手さまの言っていた通りそこまで難しいといえるものではなかった。ランクでいえばせいぜいAランクってとこだろう(もしかしたらBランクかもしれない)。
それなのにも関わらず、どうしてわたしたちなのか。テンゾウは現役暗部だし、わたしも元々は暗部にいたわけだし。なにか裏がありそうな予感もした
「なまえ先輩?何をそんなに神妙な顔をしてるんですか」
「ねえ、これ本当にただの護衛?」
わたしが言えば、テンゾウは意味がよく分かっていなさそうな表情で首をひねった
「なんというか、嫌な予感しない?」
「本当にどうしたんです?なまえ先輩らしくもない。ただの護衛任務といえど、大名ですよ?暗部二人がつくことなんてざらにあるでしょう?」
確かにテンゾウの言う通りであった。思い起こしてみれば、暗部時代にこなしてきた任務の中に護衛もそこそこにあった。きっと念には念を、ということなのだろうが、どうにもわたしには嫌な予感しかしなかった
「心配しすぎですよ。さあ、行きましょう」
「…そうね」
わたしは頭のなかにある様々な感情を振り払うことにした。いま、わたしがやるべきことは大名を護ること。余計なことなど考えず、任務に専念せねば。例え敵が現れたとしても、倒せばいいだけのこと。わたしはそう自分に言い聞かせた
(さあ、気合い入れないとね)
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