確かなまえさんは、昔カカシ先生と同じ班だと言っていた。そして、カカシ先生の先生は四代目火影。ということは、なまえさんの先生も必然的に四代目火影となるわけで。でもってたぶん、俺の父ちゃん


「なまえさん、これから時間あるかってば?」


ずっとカカシ先生には聞けなかった。でも、なまえさんになら聞けると思ったし、本当のことを教えてくれるとも思った

けれど、それは結果的になまえさんを困らせてしまったのかもしれない。現になまえさんは“四代目ってば俺の…父ちゃん?”と尋ねた俺の顔を見ながら固まっている。そして暫しの沈黙

早く、早く答えてくれよ、なまえさん。否定でも肯定でも、俺は受け止めるからさ

でも、なまえさんは以前として黙ったままで。ある意味これは肯定なんじゃないかとすら思える


「…誰から、聞いたの?」


長い長い沈黙のあと、やっと話してくれたかと思えばそう尋ねられた。俺もありのまま、エロ仙人が教えてくれたと伝えると、またしてもなまえさんは黙りこむ
今日のなまえさんは顔にこそ出していなかったがえらく動揺している、となんとなくそう思った

これ以上なまえさんを困らせては駄目だ。なまえさんなら答えてくれると思ったんだけどな、そう思った刹那、なまえさんが口を開いた


「…四代目、ううん、ミナト先生はナルトのお父さんだよ」


やっぱり、やっぱりそうだったんだ!
四代目火影が俺の父ちゃんなんだ!
素直に嬉しい。なまえさんが誤魔化さず答えてくれたことも嬉しい。俺は自然と笑顔になる


「なまえさんとカカシ先生と…俺の父ちゃんの班、どんな班だったのか詳しく教えてくれってばよ!」


俺が言えばなまえさんは、花が咲いたような笑顔で笑って頷いてくれた

そこでタイミングよく先程頼んであったラーメンがカウンターから登場し、麺をすすりながらなまえさんは色々なことを話してくれた

父ちゃんの名前は、波風ミナトといって、すごく優しくて強い忍だったこととか、俺に似てるとか。とにかく色々なことだ

それから仲間のことも話してくれた

カカシ先生とライバルだった男の子がいたとか(なんとなく俺とサスケみたいだと思った)、医療忍術に長けた女の子がいたとか(サクラちゃんと同じようなたち位置らしい)

時折目を閉じながら話すなまえさんはとても楽しそうだ
特にカカシ先生のことを話すときは、他の仲間のことを話すときより、幾分楽しそうだった

なんだ、苦手とか言いながらも、ちゃんとなまえさんもカカシ先生を想ってるんじゃないか






(疎い俺にもそんなこと簡単にわかった)




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