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「#学園」のBL小説を読む
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「ありがとう」


第七班の待ち合わせ場所へと俺となまえとで連れ立って歩いている最中、なんの前触れもなく聞こえてきたこの台詞に少し驚いてなまえの方を見遣る

まさかお礼なんて言われると思わないでしょ。なんたってなまえは、俺のことが嫌いなんだから。ま、俺は好きなんだけどね?


「さっきのこと」


俺がこんなことを考えているだなんてこれっぽっちも思っていないであろうなまえの顔は、心なしか赤い


「…カカシくんはさ、もう昔のカカシくんじゃないんだよね」


俺の目を真っ直ぐに見つめてくるなまえの瞳は、どこか悲しげな色を孕んでいて、その表情に思わずどきっとする
もっとも、久しぶりに会ったあの日から更に綺麗になったなまえにどきどきしっぱなしなのだが(大の男が情けない話だ)


「なのにわたしは、なにも変わってない。あの時から少しも」


“わたしだって変わらなきゃいけないのに”そう言ってなまえは、伏し目がちになり長い睫毛で頬に影をおとす

これはつまり、なまえが俺に弱みを見せてくれているということだろうか?そんな風に考えるのは都合よすぎ?


「なまえはなまえのままでいいんじゃない?それに俺はあの頃から何一つ変わってなーいよ」


なまえを好きだって気持ちも、自分でびっくりするくらい変わっちゃいない
正直なまえが自分自身のどこを変えたいのか俺には理解できない。今も昔も、なまえの言うことに間違いなんてなかったじゃないか
それを今更曲げられては俺も困る
だから俺は、これからもずっとなまえはなまえのままでいてほしい 


「俺はありのままのなまえが好きだよ」


言っている俺としては色恋の好きなのだが、どうせなまえのことだから元チームメイトとしての好きだと捉えているに違いない
でも、今はそれでいい。今は


「…ありがとう」


もう一度お礼を言ったなまえは冒頭とは違い、綺麗な笑顔を俺に向けていた
そんななまえをここが道端だというのも忘れて抱き寄せてしまう俺がいた


「か、カカシくん?」


困惑するなまえを余所に俺の気持ちは溢れるばかりで
いっそ振り払ってくれればいいものをなまえは、身を固くしてじっとしている
だから余計に離れたくなくなる


「あーっ!カカシ先生ってば、何やってんのさ!」


視界の端に見える金髪。言わずもがなナルトだ
ったく、タイミング悪いこと現れてくれるね。こりゃ、サクラが現れるのも時間の問題だ

少し、いやかなり、名残惜しかったが離れることにしよう







(そして目が合った彼女は顔を真っ赤にしていて、)
(また抱きしめたくなった)







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