「もう参ったなー。鈴だけじゃなく、イチャパラまで取られちゃうなんてね」
最高のチームワークを見せつけたサバイバル演習のあと、カカシくんはあまり参っていないような物言いでこの台詞を口にした
「カカシくん油断しすぎ」
「そうだってばよ!」
「うんうん」
わたしたち三人からの非難にカカシくんは軽く頬をかく
全くどれだけ甘くみられていたの?わたしたちは。とは言っても、ほぼ初対面のわたしたち三人にこんなチームワークがあるとは思ってはいなかったのだろうけれど
「ところでなまえ。そろそろそれ、返してくれない?」
「だめ。ちょうど内容も知りたかったところなの」
裏表紙には18禁と記されているいかにもいかがわしそうな、この本にちょっとした興味があったわたしは表紙を開こうと試みる
「こら、やめなさいよ!」
…が、瞬身を使ったカカシくんに後ろから身動きを封じられてしまった
「わ、ちょっとなにするの!」
「お前が俺の許可もなしに読もうとするからでしょ」
なぜわたしがイチャイチャパラダイスを読むのにカカシくんの許可がいるのか、いささか疑問である
「それにしてもお前、ナルトのお色気の術通りの身体してんのね」
「へ、変態!」
後ろからわたしをじろじろと眺めるカカシくん。恥ずかしさからわたしは顔が火照るのを感じる
「なまえさんってば、なんだかんだ言ってカカシ先生と仲がいいってばよ」
「やっぱりナルトもそう思う?」
聞き捨てならない台詞の主は言うまでもなく、ナルトとサクラだった。思わずわたしは二人を睨む
そんなこと言ってると打ち上げに連れて行ってあげないわよ、という意味を込めて(既に二人には伝え済みなのでたぶん意味は通じたはずだ)
「ナルトとサクラはああ言ってるけどどうなのよ、なまえ?」
「…知らない」
いたたまれなくなったわたしは瞬身を使って逃げることにした
任務は終わったので恐らく大丈夫だろう。ナルトとサクラとはまたあとで合流することにしよう
(仕方ないからイチャイチャパラダイスは返してあげる)
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