“ ねえ、一方通行さんはその心にどんな闇を抱えているの?”
あいつは一体どういう意味で俺にそんなことを言ったのか、全く理解できなかった
先日出会ったばかりの女
なにかと俺に絡んでくる妙な女
ただそれだけだ
だが、今日聞いた話に興味がないと言えば嘘になる
完璧模倣?同率三位?
なんだそれは
“この街は狂ってる。他人の身体を一体なんだと思ってるんだか “
確かにあいつはこうも言っていた
一体なにを知ってやがるってんだよ、みょうじ
「テメェは一体なにを知っている?」
いくら問い掛けても相手がこの場にいない以上、返事など返ってくるはずもない
みょうじ、あの時のテメェは、最初に会った時の笑顔とは逆の顔をしてたじゃねェかよ
…ったく、この俺があんな女のこと気にかけるなンざ、馬鹿げてるよなァ
無意識に俺はみょうじが置いていった連絡先の記された紙を手に取る
俺はそこに綺麗に書き綴られたアドレスと番号を携帯に入力し、登録した
(…ったく、なにを血迷ってンだか)
(くっだらねェ)
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