いまはまさに修羅場

わたしは人生で何度目かの修羅場に遭遇してしまった


きっかけはわたしの言葉足らずな台詞にあった

きっと彼は、自分自身の能力を見くびられたとおもっているのだろう

でもそれはとんだ勘違いなのである

大体、学園都市第一位の彼にたかが第三位のわたしが、そんな大口を叩くはずがないのだ

是非ともそこを理解して頂きたい


どうやって誤解を解こうかと考えていると、遂に一方通行さんは能力を使い攻撃してくるが、わたしは即座にテレポートで避ける


ほんとによいタイミングでテレポートをコピーしていたとおもう
こんなとき、レールガンだったら避けることはできないはずだから


テレポートしたわたしをみて、少し驚きをみせた一方通行さんにここぞとばかりに説得を試みる


「一方通行さん、怒らせてしまったなら謝りますから…!でもわたし、そういう意味で言ったんじゃないですよ!」

「あァ?」

「だから、一方通行さんはほんとは優しいから人殺しなんて出来ませんよね?って意味です」


わたしの言葉を聞き、なぜか目を見開いて驚いた表情をする一方通行さん

そんなに変なことを言ったつもりはないのだが

すると、戦意消失したのか先ほどまでの殺気が一切消えた

なんとか状況は打破できたようで一安心だ


「…くっだらねェ」


一方通行さんはそうつぶやくと、踵を返してコンビニへの道のりを歩み始める


「え、待ってください!」


わたしも急いで後を追う


「着いてくンなってのがわかんねェのか」

「わかりません!というか許してくれたんですか?」

「許すも許さないも俺の勘違いだろォが」

「え?」


やばい、やばいです
でれました、一方通行さんがでれました!
どうしよう、このギャップ!


「おい、テメェ、また変なこと考えてンじゃねェだろォな?」

「え?いやまさかそんな!かわいすぎるとかそんなこと微塵も」

「考えてンじゃねェか」


どうしてわかるの、一方通行さん
あなたの能力はそんなことにまで使えるんですか?

いけない
なんとなくわたしのキャラが壊れているような気がするので、思考停止


「…ところで、テメェは何者だ」

「はい?」


一体どういう主旨でそれを聞かれているのかまったくわからないわたしは、首を傾げるしかない

自己紹介なら先日したはずなのだが


「この間会った時は確か、電撃使ってたよなァ?かと思えば今日はテレポート。まさか多重能力者かなンかか?」

「もしかして、わたしのこと知らないんですか?」

「知らねェから聞いてンだろォが。ったく、馬鹿ですかァ?」




(よろしい、ならばわたしのことを一から教えて差し上げましょう!その代わり、一方通行さんのことも一から教えてくださいね)
(…ホントに馬鹿ですかァ?)



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