とある日の第一七七支部


「こんにちは、遅れてすみません!」

「あら、みょうじさん。大丈夫よ。今日は特に問題もないみたいだしね」


時間より少し遅れてしまって少々焦りながら扉を開いたものの、中には固法先輩しかおらず、拍子抜けしてしまった


「あれ、固法先輩だけですか?黒子と飾利は…?」

「それがまだ一度も顔を出していないの」

「そうですか…まさか事件に巻き込まれたんじゃ…!」

「それはないんじゃないかしら。初春さんならともかく、白井さんなら緊急時となれば連絡してくるだろうし」


そう言いながら、固法先輩はわたし専用のマグカップに紅茶を淹れてくれた


「ありがとうございます」


ところで、初春さんならともかくってどういう意味なんだろう
もしかしなくても、そのままの意味なのかな…

確かに飾利は抜けているところがあるものの、やるときはやる子なんですよ、固法先輩!


「それにしても、本当にあなたはあの二人に関しては心配性ね」

「え?そんなことないですよ」

「あら?みょうじさんったらいつも二人のこと気にかけてるように私には見えたんだけど…」


固法先輩にはそんな風に見えていたのか
わたしとしてはそんなに心配性でもないと思っていただけに意外だった

まあ確かに二人に対しては、結構甘いかなとはおもっていたけれど(無論あの親友さまには激甘である)


「…やっぱりそういうのって、相手からしたら鬱陶しいとおもいますか?」

「人それぞれじゃないかしら?でもあの二人がそんな風におもうとは到底おもえないけどね。特に白井さんは」

「…うーん」

「白井さんも初春さんも随分あなたになついているようだから、気にすることないわよ」


黒子がなついているのはむしろ美琴なんじゃないのかな
飾利はどうなのか謎だけど


「そうだったらいいんですけど」


わたしのちょっとしたつぶやきに、固法先輩は笑顔を返すと、パソコンに目をやった


さて、固法先輩とのおしゃべりも終わってしまったし、黒子と飾利がくるまでなにをしようか…


「固法先輩。ちょっとコンビニに行ってきてもいいですか?」

「もちろんいいわよ。気をつけてね」

「はい」


わたしは椅子から立ち上がると、扉の前まで移動する


「固法先輩はなにか必要なものありますか?」

「私は特にないから大丈夫よ」

「わかりました。それじゃ、いってきます」

「いってらっしゃい」


扉を開けて一歩外に出ると、とんでもない暑さがわたしを襲うのだった





(買うものはアイスに決定!)



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