「どうしたのよ、なまえ。にやにやしちゃってさ」


美琴の部屋に呼ばれ、雑談をしていた最中急にそんなことを言われ、若干焦ってしまうわたし(だってわたしは普通にしていたつもりだし…)


「私の部屋に来た時から妙にはしゃいでるじゃない?」

「え、それは久しぶりにちゃんと美琴と話せるからで…」

「へーえ?」


なにがそんなに面白いのかわからないが、美琴は笑顔になる(というか、にやにやしているのは美琴の方なのではないか)


「じゃあそのネックレスはなんなわけー?」


台詞の中間あたりからわたしの首もとを指差しながらいう美琴

その指の先を追い、目線を下に落とすと先日一方通行に貰ったネックレス


「え!あれ、なんで!?服の中にしまってたはずなのに…」

「だってなまえ、ずっとそれ触って出し入れしてたもの。当たり前でしょ」

「ええ!?」


なんという衝撃的な事実だ、それは
無意識な自分の行動に若干引いてしまう
一体なにをしているのだ、わたしは


「それ、一方通行に貰ったの?」

「…どうしてわかるの?」


美琴は探偵にでもなったのだろうか
わたしがネックレスを着けていたというだけで、それが一方通行からの贈り物だと言い当てるなんて


「そんなの誰でもわかるわよ。だってそれ、二人のイニシャルでしょ?っていうか既にそういう関係なの、アンタたち」


よく一息に言えるな、というほどの長台詞をこなした美琴に驚く
そして言い当てられてしまったことに少し恥ずかしさを感じる


「…そういう関係って?」

「だ・か・ら!付き合ってんのって聞いてるのよ」

「つ、付き合っ!?ち、違う!断じて違う!」


ネックレスを貰ったくらいで付き合っていると勘違いされたら一方通行はたまらなく迷惑だろう
そういった意味を込めて、大いに否定する


「じゃあなんでネックレスなんてくれるのよ」

「それは、お礼だって…」

「お礼?もしかしてさ、一方通行もなまえに気があるんじゃないの?」


一体なにを言い出すのだ、この親友さまは
どうしてそんなに飛躍してしまうのだろうか


「気がない女の子にネックレスなんてあげる?普通」

「でも一方通行は普通とはかけ離れてるし…」

「はー、わかってない。っていうかどんだけ鈍いのよ、アンタ」

「にぶ…?」


美琴の言っている意味がさっぱりわからない
鈍いってなんのこと?
わたし結構鋭い方だとおもうけど


「自分のイニシャルとセットにしちゃうくらいなのよ?好きに決まってるじゃない」






(まさかそんなことって)
(あるばずない、よね?)



prev - next

back