目を開けると白い天井が視界いっぱいに広がる
一瞬なぜ自分がここにいるのかわからなかったが、徐々に記憶が覚醒してきたことにより、すべてを思い出す
そうだ、俺はあの最弱に負けて…それで、解放されたんだ
本当はレベル6になったって誰にも認めてもらえないことなんてとっくにわかっていた
でもあいつは、なまえは、俺がレベル6になんてならなくても認めてくれた
「…そういや、アイツは…?」
ふと左手に感じる温もりに気が付いてそちらに目を向けると、俺の手を握りしめて眠るなまえの姿があった
「ったく、心配かけさせやがってよォ」
これは今までの俺だったとしたら有り得ない感情だ
そんな自分に少し戸惑う
最早、くっだらねェとか言っていられる次元じゃない
認めなくちゃいけない、この感情を
こいつが認めて受け入れてくれるかは別として
俺はそっと左手に力を込める
これもこいつが眠っているからこそ出来る技だ
人の体温ってのはこんなに温かなものだっただろうか
先日抱き締められた時のことをふと思い出す
人を傷付ける以外で触れたのは久し振りで、正直怖かった
でも安心したのも事実だった
俺はなまえに気を許してるのかもしれねェな、
(もう認めるしか、ねェよなァ)
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