わたしはいま、先程みんなに宣言した通り一方通行の病室にいる

彼はまだ目覚めず、夢のなかをさ迷っているようだ

そして夢のなかの彼の寝顔は、いつも寄っている眉間のしわなど一つもなく、とても安らかだ
こうして見ていると年相応のようにも見てとれる


「なんていうか…かわいい」


おもわず独り言をもらす

まさか、本人に聞こえてたりしないよね?と心配になるが、どうやらぐっすりのようだ

わたしからしてみれば、はやく目覚めてほしいのだが彼にはそうもいかないらしい

仕方ないので彼の左手をそっと握ってみる
幸いいまは反射が解かれている状態なので、いとも簡単に出来た(それにしても無防備すぎじゃありませんか!)

手のひらから手のひらへと伝わる彼の体温に、ドキドキする

彼にもわたしの体温が伝わっているのだろうか?
そう考えると、わたしの心臓は余計にとくん、と脈を打つ

一方通行にとってはどうなのか知らないが、わたしにとってはそれが心地よい


「はやく起きてよ、一方通行」








(話したいことがたくさんあるのに)
(そして落ちるわたしのまぶた)



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