“とにかくオマエはもう、俺に関わるな”

“俺はもう戻れねェとこまで来ちまってンだよ”


そんな言葉とともに、結局一方通行に逃げられてしまったわたしは、テレポートで元の場所に飛ばした黒猫が心配になり戻る

するとそこには顔色の悪い当麻さんの姿


「なまえ!御坂が、御坂妹が…!」


わたしの姿を見つけると当麻さんは血相をかえてこちらにやってくる

当麻さんはみてしまったのだろう…妹達の死体を

やっぱりそのままにしてしまったのはまずかったようだ
あの時わたしが何らかの対応をしていたのなら、当麻さんが見てしまうことなどなかったのに


「知ってます」

「知ってるってお前…なんでそんなに冷静なんだよ!」


冷静?
そんなわけないじゃないか
この状況で冷静でいられるはずがない


いまのわたしは相当焦っている


「あの子は、ミサカは…妹じゃないから」

「妹じゃない!?だったらなんなんだよ、あいつは!あんなにそっくりだったじゃねーか!」

「それは妹じゃなく、クローンだから、」

「はあ!?」

「彼女達は御坂美琴のクローン。一方通行のレベル6への進化法の実験材料…」


ああ、結局わたしは、関係のない当麻さんを巻き込むことになってしまった


ごめんなさい、当麻さん
わたしが無力なばっかりにみんなを巻き込んでごめんなさい


「ほん、とはっ…わたしが、わたしが、なるはずっだったの、に…」


いろんなおもいが連鎖してしまったわたしは、つい涙を溢す

泣いてなんかいられないのに
泣いたってなにも解決しないのに

早く、はやく一方通行を追いかけないと


「どうして、美琴なの…!?どうして妹達があんな目に遭わされなきゃいけないの!?どうして、一方通行なの…?こんなの、こんなおもいするのはいつだってわたしだけでいいのに…!」


わたし一人が不幸になればいい
大切なみんなが幸せだったら、わたし一人が不幸でも笑顔でいられる
なのに、


「バカ野郎!そんな思いしていいやつなんて誰一人存在しちゃいけねぇんだ!」

「え…?」

「俺が救ってやる。御坂も妹も、一方通行も…なまえも」


そう言って頭を撫でてくれた当麻さんの手のひらは暖かくて
ほんとに救ってくれるような気がした



(そしてなにかが動き出す)



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