それから一年。わたしは、度々任務で一緒になる綱手先生と意気投合し仲良くなり、実力を認めてもらい、推薦で上忍に就任することができた。なんでも彼女は自来也先生とチームメイトだったらしい。なのでわたしは彼女のことも先生と呼ばせていただいている。

ごくたまに、わたしにもできる程度の医療忍術を教えてもらったりしているので、先生と呼んでいても変ではないだろう。それと、ミコトやヨシノという美人な女性ふたりとも仲良くなることができて、わたしの日常はめまぐるしい変化をむかえていた。それなりに充実した毎日を送れているとおもう。

でも、頭の中では常にミナトはどうしているだろうと考えてしまう。もちろん今だってそう。特に夜、眠りにつく瞬間は嫌いだ。ミナトが修業に出る少し前にもらったクナイを手に取り、じっと見つめる。この一年間、肌身離さずにこれを持ち歩いている。なんとなくいつもミナトと一緒にいるような気がしていたりする。

上忍として今までよりも高いランクの任務をこなすようになってきたけれども、この身になにもないというのはやはり、彼にもらったこのクナイに御守りとしての効力があるということなのだろうか。ああ、はやく眠りにつかなくては。明日も大事な任務が控えているのだ。ねえ、ミナト。はやく帰ってきて。

(そんなことを思い、眠りにつく)



prev - next

back