残念なお知らせです。
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『貴方達の大事な人達は任務中で−−スイマセンでしただからバスター突き付けんの止めてくださいいやホントマジで』

アルトのある種残酷な宣言を、ロックマンはバスターの銃口を彼の頭に当てることで止めた。

現在熱斗のパソコン。クリスマスカラーに彩られて鮮やかなホームページ。

「ライカ任務なのかよー…」

『仕方ねえだろ。犯罪者にとってクリスマスも何も関係ねえんだから』

『そういう訳だ。精々、一刻も速く任務が終わるのを祈ってるんだな』

「チェーッ…」

つまんねえの。呟きながら、熱斗は立ち上がる。同時に、ロックマンをプラグアウトさせた。

モニター上に残されたのは、熱斗の待ち人に良く似た人物、ラグとそのナビであるアルト。気を遣ってなのかそれとも別の目的があってなのかは分からないが、二人はわざわざこちらに連絡してきたのだ。

『何処に行く?』

「買い物!プレゼント買いに行くんだよ!」

『とびっきり甘いモンか恐ろしく難しい知恵の輪とか、ちょうど良いんじゃねえ?』

『難しい本とかも……あ、ニホン文化について、とかのが良いのかな?』

『それで喜ぶのはイリヤじゃないか?』

「だーっ、もう!」

勝手に盛り上がる三人に苛立つ。何で腹立つのかは分からない。ホント何でだろ?

PETとかばんを無造作に掴み立ち上がる。早くメトロラインまで向かおう。

そう決めた時。

『熱斗君、オート電話だよ!』

「電話ぁ?もしもし?」

浮かび上がったモニターには、話題に上がっていた人物が映っていた。

「ライカ!?任務だって聞いたけど……」

『二時間前に終わった。……言っておくが、俺の休暇は明日と明後日だからな』

「今日からじゃねえのかよ!」

『初めからクリスマスは無理だと言っていただろう!馬鹿か貴様は』

「……あ、あれ?そうだったっけ?」

『ったく…』

画面越しの溜め息を何と無く感じ取ったのか、ここで初めて、彼の兄が口を挟んできた。

『ライカ。なら明日には来れるのか?』

『そうなるが…兄さんは何処にいるんだ』

『才葉シティ。今秋原町に向かっている』

「今年も泊まんの?」

『去年はお前が無理矢理…まあ、今年もそうなるな』

「じゃあ二人分買わないとな、プレゼント!」

『俺には?』

「ロックマンに言って!」

『もう、熱斗君ってば…』

一日遅れようが、好きな人が来ればそれで良いらしい。

ロックマンは溜め息をついた。が、咎めたりすることはなく、穏やかな視線で、オペレーターであり弟を見詰めていた。



11/12/25
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ま、間に合った?
今年も青組と緑双子。ライカは市販程度の知恵の輪なら余裕で解けると思うよ!
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