なんて、しあわせなゆめ
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
「私は何時か、君達の魂も回収せねばならないのだな」

ぽつり、呟かれた台詞にジタンは思わず振り返った。

「ライトさん。どうしたんだよ、寝てたんじゃないのか?」

「いや、どうも寝付けなくてな」

何せ、空で一夜を過ごしたことは無い。

此処は劇場艇プリマビスタ。ジタンの所属する劇団の本拠地兼移動手段である。ライトの次の目的地と劇団の公演国がちょうど重なった為、ライトも乗せて貰ったのだ。懐の広いバクー達は素性の知れぬ彼女をあっさり受け入れてくれた(勿論、ジタンの知り合いと言うのも有るが)。

「で、何でいきなり?」

「……少し、夢を見たのだ」

僅かに曇った表情で、あまり良く無いモノであったのだろうと察知した。だから、追求はしない。

代わりに、聞いた。

「なあ、ライトさん」

「何だ?」

「……俺やクジャ、ミコト達の魂ってさ、…ガイアの魂の輪廻に入ってる、のか?」

…彼等ジェノムは、本来なら消滅した星テラの住人だ。

そして、普段のジタンは仲間の前では強がって、不安は吐露しない。

だからこそ、微笑みながら、言った。
「先程、言っただろう?」

意味にはちゃんと気付いてくれたようで。

「そっかあ…。そうだよな、うん」

そして漸く、笑った。

その表情を見れたのが嬉しかった。どうしてだか、考えて。

(…そうか、私は)

幸せなのだな。何と無く、そう思った。



(何故なら、仲間が笑顔でいるから)



11/04/10
−−−−−−−−−−−−−−−−−−
元拍手お礼。ウォリさんとジタンの長生きコンビ。二人共滅多に不安なこと言わないだろうけど。
しかしジタンの出現率高いな私のDFF作品。
「#甘甘」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -