37.当事者と、第三者
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「リア充爆発しろ!」
「……は?」
「爆発しろ爆発しろ爆発しろリア充ホント爆発しろ」
「………」
いったいどうしたんだコイツは。
無表情でブツブツブツブツ呪詛を呟くアクセルを目の前にしたウォーロック、軽いドン引き状態。
「ホンット有り得ないリア充爆発しろ」
「取り敢えず落ち着けよお前」
「無理!無理無理落ち着くなんて無理だから今の僕」
「………」
これはだいぶヤバい。
アクセルの腕がぷるぷる震えているおかげで、彼の持つ小皿とその上のカスタードプリン(ホイップクリームとサクランボのおまけ付き)もカタカタ音を立てている。どんだけその「リア充」とか言うやつに怒ってんだよ。
珍しくスバルの傍を離れて一人で気楽に何か食べようと思っていたところにこれである。文句の一つでも言ってやりたいのだが、それをするには相手の様子があんまりにもアレである。しかも碧玉の瞳は「逃がすか鴨が」と言うかの如くギラギラ輝いている。
仕方が無い。大人しく付き合うことにする。逃げるのも面倒臭いし。
「で?その「リア充」ってやつと何かあったのか?」
「あああるよほぼ毎日ね!」
ガシャン!勢い良く叩き付けられる小皿。あ、プリンが浮いた。ちょっとだけ。
「何なのあの二人僕も一緒にいるって言うのにイチャイチャイチャイチャイチャイチャとさあ!僕としてはちょっとは遠慮ぐらい出来ないの、って思ってる訳!」
「あー…」
どうやら「リア充」とは、エックスとゼロのことを指しているらしい。…ん?ああ分かった。ラブラブバカップルを「リア充」ってのか。
最近観察していて分かったことだが、アクセルはどうやらエックスが好きらしい。ということは「爆発しろ!」の意訳は「ゼロ死ね!」辺りか。
「………」
何で俺こんな恋愛沙汰の愚痴とかばっかり聞かされる羽目になるんだ?
ぶちぶちぶちぶち言いまくるアクセルの言は適当に返したり時にスルーしたりしながら、内心で考える。あれか、俺が誰ともフラグ立ってねえからか畜生。ハープは別に恋人じゃねえし。あんな女ぜってえ嫌だ。
「ちょっと、聞いてる!?」
「聞いてるっての…」
別にセイバー内でいくらカップルが出来ようが構わないし、それに横恋慕するような奴がいたって気にしない。
ただ、少しだけ思ったこと。
(ちょっとは第三者の身も考えろーーっ!)
11/02/23
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ゼロックスお題なのに二人共出て無いし。取り敢えず、アクセルが嫉妬する程にラブラブだとアピールは出来たと思う。ウォーロックが第三者ということで。