目指すは彼氏彼女の関係(EXE×流星:RPG的パロ)
2013/03/19 13:28

「ねえライカ君、ものは相談なんだけど」

「なんだ、薮から棒に」

「女の子の落とし方、教えてほし」

「断る。というか無理だ」

瞬間、双葉ツカサは大きくのけ反った。そのまま両手を顔に押し当てている。正直、よく分からない反応だ。

思いながら、ライカは深々と溜め息をつく。

「大体、何故そんなことを聞く」

「君、熱斗君がいるでしょ」

「それがどうした」

「僕だってスバル君と付き合いたいんだよう!」

「なら、ストーカー行為を取りやめれば良いだろう」

「それは無理」

「じゃあ諦めるんだな」

この間、「僕、変態が一番嫌い」と件の彼女が言っていたことを思い出しながら、伸びてきた手を振り払う。付き合うのも面倒臭いという本音を滲ませたのだったが、どうも効果は無かったらしい。縋り付く瞳が子犬にも見えて、一瞬息を詰まらせてしまう。

こちらの反応を見逃さなかったらしい少年悪魔が一気に畳み掛けるまで、そう間が開くはずもなく。

「僕はスバル君の行動を見守ってるだけだよ!それに学校でもクラスが違うだけで学年は同じだし、体育は合同だから一緒のグループでも疑問全く無し!帰りだって途中までは−−」

「もういい喋るな黙れ!」

これ以上聞いていたら、耳が腐り落ちそうだ。

精製した六角柱状の氷塊を、ツカサの咥内に思い切り突っ込む。手荒だが、こうでもしないと本当に黙りそうに無いのがコイツなのだ。

ふがもごふがもご(多分抗議だろう)しているツカサの影が伸び上がり、黒から「彼」の色彩へ移り変わる。

「ったく、いつまでもギャアギャア喚くからこうなるんだっての」

「もう少し監視してくれると助かるんだがな、双葉ヒカル」

「常に主導権握れりゃそうしてる」

氷の猿轡を手で除去する、という手段を何故か使用せずに暴れている少年の影は呆れながら、しかし本体への救済は全く行わず、寧ろ吸血鬼に賛同の意を示した。

「しっかしよ、何であいつはあんなモヤシが好きなんだか」

「さあ?」

世の中には「一目惚れ」という厄介な現象が存在している、そんな事実は敢えて伏せながら、ライカはただ投げやりに答えた。当然怪訝な表情を返されたが、聡いこの少年なら直ぐに気付くだろうと思いながら。



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ヒカルはそうでもないけどツカサはスバルにベタ惚れ。ライカは熱斗に一目惚れされるという恋愛事情

お題配布元→空をとぶ5つの方法



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