フラット(ポケモン)
2012/02/13 17:15

「わあ、久しぶりだねえ」

「わお、久しぶりだねえ」

「「大歓迎だよ、ナツメさん」」

相も変わらずの双子、フウとランを見て、久々にホウエンの同業者の元を訪れたナツメは苦笑した。

彼女達はエスパーと呼ばれる存在だ。能力によって自分が訪れることは予知していただろうに、わざとらしい態度を取るから敬遠されるのだ。

最も、この困った双子はその様を見て楽しんでいるようだが。

「久しぶりね、貴方達。……というのは良いんだけれど、あまり長居は出来ないのよ」

「かつてこの地を襲った厄災が、もうすぐ復活するから?」

「ホウエンを飲み込まれたら世界中おしまい、だもんね?」

「「キャハハハッ」」

それは、今はまだ普通の人間達には感じ取れない事実。

千年の封印は今ではもう風化しかけており、『鍵』となる宝珠を『祭壇』の地から少し動かしただけでも、ホウエン全土に『彼等』の力が漏れ出す程になっていた。

だがそれも、エスパー達程敏感でなければ感じ取れない程度のものだ。

「それでも、何かあるわよね。とカントーにいるあたしが考えるぐらいなんだから、当地にいる貴方達が何もしてない訳無いと思うんだけど」

「してないよね」

「してないない」

「だいじょぶだいじょぶ」

「暴れん坊小娘とー」

「ヘナチョコ助手にー」

「ひねくれ小僧ー」

「三人揃えばだいじょうぶい」

常人ならふざけているようにしか思えない言葉の群れも、エスパーたるナツメにとっては深く意味の分かる文言。

「あら、何時になくはっきりした『予言』なのね」

「そーそー。僕等もびっくりくりだい」

「これも日頃の行い故、なんつってー」

全てを煙に巻くような、その実中身などありはしない言動は、双子にとって己等のとれる数少ないスタイル。

それが分かっているからこそ、ナツメは笑った。

(まあ、あたしも似た者だしね)



−−−−−−−−−−−−−−−−
双子は精神系、ナツメは物理系エスパー。それだけ



comment (0)


prev | next

「#オリジナル」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -