※自分の事を話さない(X×EXE:RPG的パロ)
2011/12/03 20:51
彼女は何一つ、昔のことを話そうとしなかった。
「炎山」
「何だ」
「……昔、さ。俺の、恋人に」
会わなかった？
全て言う前に顔を背けられる。その表情からは、俺の期待する答えは到底読み取れない。
「……」
まただ。何にも言わずに去って行く。
何度も同じことを聞いた。結果はいつも同じだった。
「どうして…」
教えてくれないのか。俺はただ、確信を得たいだけなのに。いや、だからこそ？
彼女が話さないのは過去だけではない。自分のことも、だ。
聞く度聞く度話をすり替えられ逆に返されたりして、結局一度も答えはもらっていない。
何か、答えられない事情でもあるのだろうか。有るのなら、
(聞かない方が、良いか…)
誰にだって踏み入れられたくない領域があるのは、もう分かってる。
(気付くの遅いな、俺)
そう思って、深々と溜め息をついた。
−−−−−−−−−−−−−−−−
エックスと炎山。セイバー結成初期の頃の話。
何と無くだけどエックスって大事なことに気付くのがワンテンポ遅い感じがする(X7とイレハンしかクリアしてないけど)。
お題配布元→
雲の空耳と独り言+α
prev | next