青空にひとつだけ雲(ポケモン)
2011/11/29 00:51

「あ」

ふと青い空を見上げると、そこには。

「雲だ……」

先程まで真っ青だった中に、雲が一つだけぷかりと浮かんでいた。青で塗り潰したカンバスに、一滴だけ白の絵の具を落としたかのようだった。

少年−ヒビキはイヤホンを外しながら、ただ上空を眺める。流れる雲を目で追い掛ける。

「平和だなあ」

トラブル吸引体質の自分にしては珍しく。

そう思ったのも束の間。

ポケギアがけたたましい鳴き声を上げ始めた。

「……、……もしもし?」

『俺だ、ハヤトだ。今ポケモン泥棒を追い掛けているんだが、なかなか手強そうでな、君に手伝って欲しいんだ!手始めに現在地を教えてくれ!』

「………37番道路です…」

『ちょうど良い!犯人はそちらに向かったんだ。今から犯人の特長を簡潔に教えるから、それっぽそうな人を探してくれ!』

「分かりました…」

有無を言わさない矢継ぎ早の言葉に、あの雲の如く流されながら思う。

(俺がトラブルに巻き込まれない日なんて、有るわけ無いんだな…)

と。



−−−−−−−−−−−−−−−−
ハヤトは警察官兼務じゃないと嫌だと思ってる自分はポケスペ脳。
うちのヒビキはよくハヤトにこき使われていたりする(実力者及び暇人だと認識されてるから。やったねチャンピオン←)。


お題配布元→雲の空耳と独り言+α

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