人間モルモットの殺し合い(EXE:RPG的パロ)
2011/11/09 00:22

ザシュッ。

跳ね上がる血飛沫に遅れて、人間−いや、模造人形の首が舞い上がる。

自分と全く同じ顔を持った頭が血溜まりに転げ落ちたのを、一人の少年が虚ろな表情で眺めていた。その手に握られている物は、赤く染まったナイフ。

『ハハッ、素晴らしい成果だ!−13番目、お前が唯一の生き残り、すなわち最も優秀な《似物》と認定する!』

頭上から響く、笑いながらの言葉は少年にとってはどうでも良いもので、頭の中には入って来ない。

代わりに、ぼんやり思う。

(………《本物》…)

教えられたことは少ない。最低限の言葉、ナイフの扱い方、生きること死ぬこと、そして《本物》のこと。

自分達《兄弟》は《偽物》で、《本物》というモノが此処では無い何処かにいる、という事実。

(どうしてるのかな……)

こんな風に、生き残ろうとしているのだろうか。

《似物》は一人で良いのだと言われて。次に、ナイフを使って一人、選びなさいと言われた。

だから、こうしただけ。

ナイフは誰かをコロス為にあり、コロスことはイキルことだと、自分達はそう教えられたのだ。



(選ぶのは、コロスこと。コロスのは、イキルこと。一人選ぶのは、自分以外を、コロスこと)



−−−−−−−−−−−−−−−−
造られて間もない頃の、ラグの話。
殺しても《兄弟》はたくさんいるから大丈夫、ということも教えられていたりする。
…自分で考えておいてあれだけど、アルトよく軌道修正出来たな……

お題配布元→雲の空耳と独り言+α


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