リフレイン(EXE)
2011/11/07 02:15

声が聞こえる。

(誰だ?)

優しいけれど、悲しみの滲む女性の声。何と無くそう思う。

前は見えない。暗闇だけ。これは恐らく夢の中、ならば有り得ることなのかもしれない。

だから誰の声かは分からない。少なくとも知っている声ではない。

やがてフェードアウトしていく声。どんどん遠くなっていく。離れていく。

(置いて行かないで)

反射的に、そう思った。



「…イカ、ライカ!」

強く強く、我に引き戻す声。目の前には見慣れた女性。

「少しの間とはいえ、貴方が任務中に居眠りをするなんて……疲れているのですか?」

「いえ、そのようなことは…」

疲れている訳では無い。ただ、懐かしいのだ。

今プライドが公務で視察している孤児院は、自分が一番最初に引き取られた孤児院に、とても似ているから。

それに釣られて、あんな白昼夢を見たのだろう。

(……母親…?)

分からない。今の夢。

推測もただ、一番可能性が高いだけ。あの声の主、特定は出来るはずもない。根拠が無い。

(……考えても終わらんな)

ならば止めよう。今は任務の最中、余計な思考は邪魔になるだけ。

思いながら、不安げなプライドに向き合う。けれど綺麗なターコイズブルーの瞳を、どうしてだか直視出来なかった。



−−−−−−−−−−−−−−−−
もっとプライドとライカの絡み書きたいなウフフとか思ってた結果がコレダヨ!
プライドがただの狂言回し役になってしまったんだぜ…


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