※それは遠い(EXE×流星:RPG的パロ)
2011/10/04 00:29
紅葉がひらりひらり、穏やかに吹く風にまかれて舞い落ちる。
「………」
紅葉と同じくらい紅い瞳が、その散り行く様をぼんやり見詰めていた。
「何してんだ?」
「……」
返事無し。
彼女には良くあることだ。だから気にせずに言葉を続ける。
「葉っぱばっか眺めててよお」
「……シャーロには無かった光景なんだ」
そもそも、風景をゆっくり見られるような優雅な旅など、してはいなかったが。
豊かな四季はニホンの特徴の一つ。精霊界にも、シャーロにも存在していなかったモノ。
だから、珍しくて仕方が無い。
「…綺麗だ」
ポツンと落ちた一言が、獅子精霊の耳に、妙に大きく響いた。
ウォーロックにとって、この紅嵐は特に心を揺り動かすものではない。けれど、目の前の銃精霊は違うらしい。
「ふーん?」
綺麗、綺麗ねえ。
枝から離されて頼りなく落ちる紅の葉を見送る、彼女のモノよりも彩度の高い真紅の瞳には、やはり何の感慨も浮かばなかった。
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紅目ペア。秋っぽいのを書きたかっただけの産物。
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