※黒狼と死神(EXE:RPG的パロ×TOV:始祖の隷長パロ)
2011/09/21 21:48

※ユーリが始祖の隷長

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「………」

目の前に寝そべる巨大な漆黒の狼を見て、炎山は思わず溜め息をついた。

「起きろ、ローウェル。邪魔だ」

『……』

「ローウェル」

冷え始めた声音で気付いたのか、のそりと狼は動き出した。

『おはよーさん、炎山』

「今は夜中だ」

『じゃあこんばんは。これで良いだろ?」

飄々と返しながら、彼女は人に姿を変える。漆黒の長髪を背に流した、背の高い女性。

底を量ることの出来ない紫紺の瞳で炎山の抱える大鎌を見詰めるユーリを見て、炎山はもう一度溜め息をついた。

「別にお前の仲間…あのオッサンを狩りに来た訳じゃない」

「お前の目から見ても、オッサンはオッサンか」

「話をすり替えようとするな」

ユーリの仲間の一人−レイヴン、本名シュヴァーン・オルトレインは十年も昔に死人と化した。

本来ならば魂はその辺をさ迷っているか、既に霊界に辿り着いているかのどちらかだ。

しかし、どうやらあの男は例外らしい。

「じゃあ、何でこんなとこに来た訳?」

明らかに目的が分かっていて言っている。

だから、炎山もまた笑みつつ言った。ただし、目は笑っていない。

「魂の回収、では駄目なのか?」

「いーや。それが死神様の第一の勤め、なんだろ」

「そうだな」

「だから此処の魂も持って行ってくれます、って?」

「………」

逆結界魔導器の充填に使われた人の魂が、未だユーリの『寝床』には漂っている。

「…連れて行ってやってくれ」

いつまでも、自分一人の為に何十人も犠牲にするつもりは無い。

「元より、そのつもりだ」

貴様とは意味合いが違うがな。

それは口には出さず。炎山はユーリが自らの背後に移動したのを確認した後、大鎌を一閃させた。

切り裂かれた魂達が上げた声は喜びか、歎きか。判別は二人には付けられない。

ただ、ゆらゆら立ち上り消える光の粒子が、薄暗い『寝床』を仄かに照らしていった。



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ユーリは始祖の隷長なら本性は狼に違いないと勝手に思ってる。
これどんな設定なんだろ。一応テルカ・リュミレースが舞台。


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