※赤い靴の(X:RPG的パロ)
2011/07/31 00:01
目の前に差し出された鉄の上履きは真っ赤に染まっていた。じゅうじゅう、何かを焼くような音が聞こえる。
エックスは思わず、唇を噛み締める。始まる拷問からは逃げられない。…逃げられる、はずも無い。
(ゼロ)
俺がヘマしなければ。彼だけでも捕まらずに済んだのに。
もう遅い。遅いのだ。自分も彼も知ってはならないことを知ってしまった。「大術」なんてよく分からないけれど、…それが酷く危険なものだとしか。
でも。この戦争を終わらせるには必要みたいで。
彼等は恐れているのだ。この情報が精霊側に漏れることを。
今頃、ゼロも何かの罰を受けているのだろう。死ぬしかないような罰を。
赤い靴。一度履けば死ぬまで踊り続ける。足を切り落としても、切り落とされた側の足はずっと踊り続ける。孤児院で読んだ童話。
今目の前に差し出された赤い靴。熱された鉄の上履き。死ぬまで踊り続けるの、俺も?
(…ゼロ…)
恐いよ。でも、でもね。耐えないといけないよな、君だって同じことをされてるかもしれないのに。
意を決して、素足を伸ばす。真っ赤に染まった、鉄の上履き。全ての終わりより、あの人の面影だけを思い浮かべながら。
(ゼロ)
さよなら。
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嫌だなこんな終わり方。何でX組は報われない。
「虚構クレッシェンド」と微妙に話が矛盾してますがまあエックスこの話では…大丈夫だと思うよ?だってゼロがいるもの
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